年の瀬の風物詩、現代⽤語の基礎知識選「2025 T&D保険グループ新語・流⾏語⼤賞」のノミネートされた30語が5日午後、発表された。
今年はトランプ関税やクマ被害、米不足など世間を揺るがすニュースから生まれた言葉や、初の女性首相となった高市首相の印象的な言葉もノミネートされた。また、最終的に2900万人もの来場者を記録した大阪・関西万博からは、独特なデザインで人気のあのキャラがノミネート。
一方で、例年多数のノミネートを出すスポーツ関連の言葉が少なく、主催者側は「珍しい年」と評価した。
ノミネートされた30語は以下の通り(五十音順)
「エッホエッホ」
メンフクロウのヒナが草むらを2本足で懸命に走っているように見える写真が海外のネットで話題になり、日本ではその姿に「エッホエッホ」という擬音を添えて紹介された。
若者の間では、急いで何かをしなければならない様子をあらわす際にも使われた。
「オールドメディア」
新聞・テレビといったメディアを不要なもの、偏ったものとみなし「オールドメディア」と呼ぶ風潮が広まった。
「おてつたび」
短期アルバイトである“お手伝い”と旅を合わせた造語で、人手不足の地方と、そこを旅したい人とのマッチングが進んだ。
「オンカジ」
オンラインカジノの事。国内から海外のカジノサイトにアクセスして金銭をかける事は日本の賭博罪に反するが、スポーツ界などで利用が相次いで明らかになった。
「企業風土」
企業のジェンダー配慮意識や職場の安全性に対する意識の低さが問題になった。
「教皇選挙」
今年5月、コンクラーベと呼ばれる次のローマ教皇を選ぶ教皇選挙が行われ、アメリカ人のロバート・プレボスト枢機卿が選出され、新教皇レオ14世が誕生した。
「緊急銃猟/クマ被害」
クマなどが人里に出没した場合に、市町村長の判断で市街地での銃猟を可能とする制度。今年9月から鳥獣保護管理法が改正されて導入された。
今年は各地でクマによる被害が相次ぎ、住民の安全確保が急務となっている。
「国宝(観た)」
映画「国宝」が大ヒット。原作は吉田修一さんで、歌舞伎界を舞台にしており、上映時間は約3時間と長丁場。どうトイレを我慢するのかも話題になった。
「古古古米」
今年はコメが高騰し「令和の米騒動」とまで言われた。
小泉進次郎農水相が誕生すると、政府は備蓄米を放出し、安価なコメは各地で飛ぶように売れた。備蓄米には古米・古古米・古古古米など1年ごとに区分があり、古いお米の美味しい調理法なども話題となった。
「7月5日」
7月5日午前4時18分に巨大津波が起きるという噂が拡散し、香港などからの観光客が激減して航空便が減便になるなど、影響が広まった。もちろん7月5日に巨大津波は起きず、デマだったのだが、元ネタとなった書籍についても大きな話題となった。
「戦後80年/昭和100年」
今年は戦後80年という大きな節目であり、昭和100年でもあった。テレビや新聞、雑誌等で多くの特集が組まれた。
「卒業証書 19.2秒」
学歴作業問題が世間を賑わせた、静岡県伊東市の田久保前市長。
市議会に求められ“卒業証書”を見せたのだが、「19.2秒のチラ見」などと報道された。
「チャッピー」
アメリカのオープンAIが開発した生成AI「ChatGPT」の愛称。生成AIの活用は日常生活に浸透してきている。
「チョコミントよりもあ・な・た」
女子高生のアイドル活動を描く「ラブライブ!」のラジオ番組から生まれた声優3人の期間限定ユニットAiScReam(アイスクリーム)のデビュー曲「愛♡スクリ~ム!」の途中に出てくセリフ。TikTokなどで注目された。
「トランプ関税」
アメリカのトランプ大統領が各国に課した一方的な関税引き上げが大きな問題に。
困難なアメリカとの関税交渉を担当した赤沢大臣は何度もアメリカと日本を往復した事から、「ピストン赤沢」というあだ名まで付いて話題となった。
「長袖をください」
TBS系「水曜日のダウンタウン」のコーナー「名探偵津田」でお笑いコンビのダイアン・津田篤宏が発した言葉。
「二季」
今年は日本各地で猛暑が続き、春夏秋冬の四季が夏と冬の二季に変わったかのようになっている状況。
「ぬい活」
ぬいぐるみ活動の略。自分好みのぬいぐるみを出先に持って行って写真を撮ったり、服を自作するなどしてぬいぐるみを愛でる事。
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」
高市早苗首相が自民党総裁選挙で総裁に選出された際に表明した決意。
「ワークライフバランスを捨てる」との表明には賛否の声が巻き上がった。首相就任直後からトランプ大統領との日米首脳会談や、APEC参加で韓国訪問、日韓首脳会談などなど、早速連日「働いて」いる。
「ビジュイイじゃん」
男性ボーカルダンスユニットM!LKの楽曲「イイじゃん」がTikTokなどで話題をよび、セリフ部分の「今日ビジュイイじゃん」が流行語になった。
「ひょうろく」
ピン芸人で、ドッキリ番組でブレイク。演技なのか素なのか分からない部分がウケている。ドラマへの出演も多く、NHK大河ドラマ『べらぼう』やフジテレビ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』などにも出演している。
「物価高」
ここ数年食料品や衣料品、サービスなどあらゆる値段が上がっている。政府も物価高対策を喫緊の課題にしているが、市民の不安は払拭できていない。
「フリーランス保護法」
2024年11月に施行された法律で、フリーランスの働き手を不利な契約から保護するもの。
「平成女児」
1990年代後半から2000年代初頭に小学生だった女子(現在20~30代)が当時のキッズ文化を懐古する流行。平成レトロの派生。パステルカラーやリボン、ハートなどのモチーフが再注目されている。
「ほいたらね」
NHK連続テレビ小説『あんぱん』の舞台となった高知県の土佐弁で、「またね」の意味。
「麻辣湯」
しびれる辛さと唐辛子の辛さをあわせもつ中国・四川省のスープ「麻辣湯(マーラータン)」が大人気に。
各地で専門店が増加している。
「ミャクミャク」
大阪・関西万博の公式キャラクター。
当初は不気味などと言われる事もあったが、開幕後は一転大ブレイクした。
「薬膳」
季節にあわせた旬の食材の組み合わせと、薬膳効果のある食材を取り入れることでできる、からだをととのえる身近な料理として薬膳が流行しているという。
「ラブブ」
香港出身のデザイナー、カシン・ローンが生んだウサギ耳とギザギザの歯をもつキャラクター。K-POPアイドルBLACKPINKのリサが紹介した事で世界的な話題になった。
「リカバリーウェア」
繊維に練り込んだ鉱物の遠赤外線によって血行改善や疲労回復ができるという衣服が話題になった。体を効率良く保温し、皮膚の血流や血液酸素濃度を高めるとされている。
