物価の優等生とも言われていた「卵」。
しかし、この卵も物価高に直面しています。
「エッグショック」と呼ばれた2023年に迫る高値となっていて、飲食店などからは困惑の声が上がっています。
新鮮な卵をたっぷりと使ったオムライス。
大分市のこちらの洋食レストランの人気メニューです。
しかし、今、卵の価格高騰の影響に直面していました。
◆幸せのスプーン石川 洋一代表
「春先はまだ10キロ箱で3000円ちょっとくらいだった。値段が今は4000円を超えている。秋から冬に向けてこのまま高値が続くと業者から言われている」
1日でおよそ10キロの卵を使う店にとって、高騰する価格は頭を抱える問題です。ただ、値上げはしづらいと話します。
◆幸せのスプーン石川 洋一代表
「そのまま価格に転嫁してしまうとお客様が離れることが一番怖い。できれば、値上げせずに頑張っていきたいと思っているのが現状」
JA全農たまごによりますと、福岡の市場相場での卵の基準価格は4日時点でMサイズ1キロあたり340円です。
「エッグショック」と呼ばれ、価格が著しく高騰した2023年は345円で、当時に迫る勢いとなっています。こうした中…
10月22日、北海道の養鶏場で今シーズン国内では初となる鳥インフルエンザを確認。
およそ46万羽が殺処分の対象となりました。
鳥インフルエンザは11月に入り、新潟県でも確認されています。
2023年のエッグショックは全国で鳥インフルエンザによるニワトリの殺処分が相次ぎ、卵の供給量が減ったことが要因となったため、今シーズン、もし感染が拡大すれば、価格のさらなる高騰が懸念されます。
◆TOS児玉直輝記者
「鶏舎の周りには消毒用の石灰がまかれていて、辺り一面真っ白」
およそ15万羽のニワトリを飼育している日出町の養鶏場でも鳥インフルエンザ対策が行われています。
消毒用の消石灰を敷地全体に撒いていました。ほかにも、車両や靴の消毒も徹底。
鶏舎ではウイルスを持つ野鳥の侵入を防ぐネットを張り巡らせています。
◆鈴木養鶏場 鈴木大樹 常務
「多少防疫費に経費はかかるが、消毒と石灰をしっかりやって気合を入れて対策していきたい」
ただ、今の卵の価格の上昇は養鶏場でのコスト増加も背景にあります。例えば、エサについては原料とするコメの価格が高騰。5年ほど前は、エサ代は1トンあたりおよそ4万円でしたが、2025年はおよそ8万円で、倍増しているということです。
◆鈴木養鶏場 鈴木大樹常務
「正直値段はあげたくない。お客様も嫌がるし、なるべく上げないようにはしているが、そうすると利益も出ないので上げざるを得ない状況」
ただでさえ、物価高の影響を受けて値上がりしている卵。
鳥インフルエンザの感染拡大を食い止めることがエッグショックの再来を防ぐためにも重要だと言えそうです。
さて、11月も様々なもので値上げが行われます。
民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、11月値上げする食料品は143品だということです。
分野別ではチョコレート製品やクッキーを中心とした「菓子」が49品目で最多となっています。
ただ、1か月の数としては半年ぶりに1000品を下回り、今年で最も少なくなりました。
しかし、値上げは食料品以外でも行われます。
例えば「ゆうメール」です。重さ1キロまでの荷物を送ることができ、書籍や商品カタログ、DVDなどを届ける際に活用されています。
日本郵政によりますと、燃料価格や人件費といったコスト上昇のため、11月から基本運賃を10円から20円値上げしています。