ネット通販大手の「アスクル」がサイバー攻撃を受けてから2週間がたちましたが、依然として復旧のめどは立っていません。

そんな中、懸念されているのがインフルエンザの流行です。

ネット通販大手「アスクル」へのサイバー攻撃。

アスクルの子会社に配送の一部を委託している無印良品やロフトなどでも、物流障害の影響でネットストアでの販売を一時停止しています。

そんな中、医療の現場も大きな影響を受けています。

福岡市中央区の「小児科そのだクリニック」を訪ねてみると…。

◆小児科そのだクリニック スタッフ
「元々ここ全体にマスクがあったんですけど、注文が間に合っていない状況です」

アスクルは10月29日、出荷を停止していたコピー用紙やペーパータオルなど37のアイテムを医療機関や介護施設などからFAXで注文を受け付けると発表しましたが、いまだ復旧のめどは立っていません。

◆小児科そのだクリニック スタッフ
「多いときは1日3~4枚はマスク交換するので、毎日続くとなるとすごく厳しい」

Q.マスクは足りていますか?
「ぎりぎり」

診察で使用するマスクや手袋など、6割以上の備品をアスクルに注文していたというこちらのクリニック。

今は別の企業に注文しているといいますが…。

◆小児科そのだクリニック スタッフ
「いま利用しているところは扱っている物が少なく、値段も高かったりする。アスクルだったら1週間以内に届くが、いま頼んでいるとことろは1週間待つ」

こうした中、危惧されているのがインフルエンザの流行です。

県によりますと10月26日までの1週間に県内で確認されたインフルエンザの感染者は、1定点医療機関あたり3.9人で、前の週と比べ1.45倍に増加しています。

◆小児科そのだクリニック 園田幸司 院長
「気温もぐっと下がってきて、湿度も50%切ってきたので、これからは本格的に(インフルエンザの)流行が予測される。予防対策に必要な物品が不足しないように、スタッフと日々の在庫管理を徹底してきたい」

マスクに限らず、今回取材したクリニックが特に懸念していたのが、注射器を使う採血や予防接種です。

注射器を持つときはゴム手袋を使いますが、採血や予防接種は使い慣れてフィットした手袋で行う必要があるといいます。

これまでアスクルに発注して「使い慣れた手袋」は、院内の在庫がほぼなくなったということで、影響はさらに広がりそうです。

テレビ西日本
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