本格的な暖房シーズンの到来を前に、電気や石油ストーブなど暖房器具による火災事故が多く発生しているとして、NITE=製品評価技術基盤機構は30日、注意喚起を行った。
NITEによると、2020年から2024年までの5年間にNITEに報告のあった暖房器具の事故は596件あり、そのうち、電気・石油ストーブの事故が約8割を占めている。
暖房器具の事故のうち、毎年約8割以上が火災事故に至っていて、事故の原因としては、電気暖房器具では内部配線の異常発熱が最も多く、石油暖房器具では、給油口ふたの閉め忘れなどにより漏れた灯油に引火したケースが最多となっている。
また、2022年3月には、石油ファンヒーターを消火せずにカートリッジタンクに給油をしたところ、カートリッジタンクのふたの締め付けが不完全であったため、本体にセットしようとした際に灯油が漏れ、ファンヒーターの火が引火して火災に至った事例なども起きている。
NITEは、事故を防ぐため、「電気」暖房器具の点検ポイントとして以下4つを挙げている。
①電源コードや電源プラグが変形・破損していないか、コンセントがたこ足配線になっていないかを確認する
②本体に変色や変形等の異常がないかを確認する
③転倒時オフ機能(転倒時オフスイッチ等)が正常に作動するか確認する④製品がリコール対象製品ではないか確認する
また、「石油」暖房器具の点検ポイントとしては以下4つを挙げている。
①ほこりがたまっていれば取り除く
②対震自動消火装置が正しく作動するか確認する
③燃料は新しい灯油を使い、昨シーズンの灯油を使用しない。灯油とガソリンは別の場所で保管するなど、誤給油を防ぐための対策を徹底する
④カートリッジタンクの給油口ふたが確実に閉まっていること、漏れがないかを確認する
また、暖房器具使用中の注意ポイントとしては、暖房器具と壁や可燃物との距離が十分に確保できているかを確認する(洗濯物は乾かさない)ことを挙げている 。