ペットフード協会によると、国内の犬猫の飼育頭数は1850万匹で、ここ5年間で緩やかな増加傾向傾向となっている。その一方、飼い主の都合で安易に捨てられるペットは少なくない。
広島市内のある動物保護シェルターを取材した。

埼玉や鹿児島からも…広島市内の動物保護シェルター

人を見ると、尻尾を振って愛きょうを振りまく犬。自分の匂いをつけようと体をすり寄せてくる猫。ここにいる犬と猫は、かつてペットとして誰かに飼われていた。

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ここは、広島市安佐北区にある「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」。
現在、広島市佐伯区と東京のあわせて3カ所で、飼育放棄された犬や猫を保護する活動を行っている。

餌や家賃、治療費などでかかる費用は、月に180万円。ペットホテルやトリミングの収益のほか、寄付で活動資金を賄っている。

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター・佐々木博文理事長:
猫が120匹~130匹くらい。犬がだいたい60匹~70匹くらい。小動物が今現在、5匹くらいですかね。ご自身で努力して(新しい飼い主を)探してはみるけれど、決まらないので、結局こちらに連れて来られる方が多い

こちらの施設では、ペットとして飼われ、引き取り手がいない犬や猫などを飼育費用の負担などを条件に引き取っていて、中には、埼玉県や鹿児島県から来た犬や猫もいる。

こちらの団体がまとめたデータによると、飼育放棄する理由で一番多いのは、病気や介護など「飼い主の高齢化」、続いて「家族のアレルギー」、「引っ越し」、中には「イメージが違う」、「飼育が大変」などの理由もあるという。

辺りを気にせず 店の前に置き去り

中には、こんな悪質なケースも…
2020年8月、千葉県のショッピングセンターの防犯カメラの映像。
帽子をかぶり、マスクをした1人の女性、手にはケージと紙袋を持っている。
女性は、辺りを気にする様子も見せず、店の前に置いたあと去っていった。

保護猫カフェ ととの森・今村瞳さん:
営業中で、外に買い物に行く時に発見しました。捨てていかれたとは思いました

ーーケージの中に何が入っていた?

保護猫カフェ ととの森・今村瞳さん:
2匹の猫ちゃんですね

手紙などもなく、紙袋には猫の餌が入っていた。
念のため、2匹を動物病院に連れて行ったところ、大きなけがなどもなく、生後4カ月くらいだとわかった。

保護猫カフェ ととの森・今村瞳さん:
ご年配の女性ということがモニターから見受けられたので、(女性が)病気をされたのか。自分たちになつかない、避妊去勢もできない、そういうことで(猫2匹を)捨てられたのではないか

ACジャパンのCMを見たことはあるだろうか。
転勤で引っ越すことになった家族。親子は、犬を公園に捨てる決意をする。

(ACジャパンのCM)
親切な人に見つけてもらってね

(ACジャパンのCM)
優しそうに聞こえても、これは犯罪者のセリフです

動物を捨てること、虐待することは犯罪と訴えかけている。
このCMのように、捨てた場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金となる。

多いときは1日50件ほどの引き取り依頼

理事長の佐々木さんは、以前この場所でペットショップを経営していたが、自分が販売した犬や猫が無責任な飼い主による飼育放棄にあっていることを知り、約10年経営したペットショップを閉店。

2008年から活動を始め、これまでに3200匹を保護し、このうち65%にあたる2100匹が、新たな飼い主に引き取られた。

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター・佐々木博文理事長:
これも今、着信があったので

ーーインタビュー中にですか?

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター・佐々木博文理事長:
そうそうそう。1日に20件~30件の引き取り依頼があるんですよ。多いときは50件くらい

佐々木さんは、依頼を安易に受け入れず、まずは、飼い主自らがもらい手を探すよう助言する。

引き取り希望者には面談で確認

9月のシルバーウィーク。犬や猫の引き取りを希望する家族連れなどが多く訪れていた。

訪れた人:
こういう保護施設で保護されているような子たちを引き取って、家族にしたいなと思ったので(来ました)

訪れた人:
フワフワで、ずっと触っておきたい感じ

引き取りを希望する人がいた場合、すぐに引き渡すことはない。
自宅でペットを飼えるのか、家族にアレルギーがないかなど、面談で確認したうえで引き渡す。

ケージに入った子猫を見つめる親子。20年飼った猫を4年前に亡くし、新たな家族として迎え入れたいと、1週間ほど通い決めた。

訪れた人:
やっぱりかわいいですよね、子猫は。4年間いなかったので寂しかったんですけど、また楽しい、癒やされる生活を送れるのかなと、ちょっと楽しみにしています

子犬や子猫は、新しい飼い主が早く見つかりやすいが、年を取った犬や猫の引き取り手は、ほとんどいない。中には、事故で下半身まひとなり、排せつもきちんとできない猫もいる。
こうした子たちは終生、この施設で過ごす。

コロナ禍で“プチペットブーム” わずか1週間で…

保護活動を続ける中、新型コロナが猛威を振るい、不要不急の外出を自粛した4月から6月、こんな変化があったという。

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター・佐々木博文理事長:
特に5月、6月なんですけど、コロナ禍で自宅待機で家にいる時間が増えたので、プチペットブームじゃないですけど、東京都内はそういったブームが起きた

この犬は、元の飼い主がペットショップで購入したが、飼い主の家族にアレルギーが出たことから、わずか1週間で手放すことになり、東京の施設に引き取られた。

トイレを覚えない、臭い、家族にアレルギーが出たなど、子犬や子猫あわせて10匹以上の飼育放棄があったという。

佐々木さんは2019年11月、約2200平方メートルの土地建物を新たに借り受けた。
佐々木さんは、犬と猫と直接触れ合う、カフェのような空間を作ろうと考えている。

それは、飼い主になろうと考えている人が、この場所に長時間滞在し、責任をもって一生世話ができるのか考えてほしいから。

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター・佐々木博文理事長:
動物愛護法の中に、犬猫を飼うと「終生飼育の義務」があって、最後までしっかり飼ってくださいねっていう法律があるんです。愛玩動物の命の重みは大きいということ。犬猫を飼う前に、ちゃんと最後までしっかり飼えるのかというのを今一度考えて、受け入れていただきたい

(テレビ新広島)