熊本市電の立て直しへ向け始動している『市電再生プロジェクト』についてです。
プロジェクトは外部の視点からの助言を求めるため専門家会議を設置。22日、その初会合が開かれました。
去年から運行トラブルが相次いでいる熊本市電、市は今年6月に『市電再生プロジェクト』をスタートさせ、事業全般の立て直しについて検討を続けています。
専門家会議は学識経験者や鉄道事業に携わる人など9人で構成し、東京大学大学院の
古関 隆章教授を会長に選びました。
会議では、市交通局が現状の課題への対策としてこれまで非正規で採用してきた運転士など乗務員の処遇改善へ『正規雇用化の実施』などを委員に報告。
これに対し委員からは。
【新改敬英委員(熊本学園大学大学院教授)】
「『改革』『再生』なら『組織風土の改革』ではないか。交通局の職員含めた組織風土に切り込まないと、実行されず形骸化されると危惧している」
また、レールの保守・点検の課題として、市交通局は調査の結果「これまで認識してきた『耐用年数30年』とは限らないことが分かった」と報告。軌道を専門とする委員は「レールそのものは100年以上もつ」と述べ、具体的にアドバイスする場面もありました。
専門家会議は年度内にあと2回程度開く予定で今後は課題にかかる対策や費用、スケジュール、また収支や運行体制についても議論することにしていて、『上下分離』導入の是非も検討することになっています。