イクラは北海道を代表する秋の味覚。
北海道ではこの時期、生の筋子を買って自宅でしょうゆ漬けにする習慣もあるが、価格が高騰し2025年はそれも難しそうだ。
あったかいご飯にたっぷりのせたイクラ。
今が旬の北海道の秋の味覚だが…
「(Q:この秋イクラ食べた?)食べてないです。ちょっと高いかな」(70代女性)
「昔498円とかで買って大量に漬けてたんですけど、安くなればまた買いたいなと思うんですけど」(70代女性)

サケ漁のシーズンだが…
北海道東部の標津漁港。
サケ漁の最盛期を迎えているが…
「きょうは全然ダメですね。100匹あるなしだね」
「燃料代にもなんないわ」(いずれも地元漁師)
本来であればこの時期、サケ漁は毎日行われていたが、2025年は週に2回ほど。
不漁といわれた2024年の約3割しか水揚げがなく、漁に出ると採算がとれないのだ。
「イクラもね、我々の口にすら入らないですからね」(漁師)

2025年のサケの水揚げは約1141万匹を予測。
平成以降で最も少なくなる見通しだ。
20年前と比べるとその数は5分の1にまで減った。

サケが少なければ当然、卵も少なくなる。
生筋子の店頭価格はどうなっているのか。
「こちらです。きょう一番の大粒です。100グラムあたり2000円ですね」(北の貴辰 阿部貴史さん)
「(500グラムだと)1万円超えじゃないですか」(ディレクター)
札幌市白石区のこの店では、大粒の生筋子が約500グラムで1万円あまり。
2024年と比べて倍の価格になっている。
「(Q:毎日店頭にあるものですか?)ある時とない時があります。それだけ市場にも入ってきてないというのが現状です、今年は」(北の貴辰 阿部貴史さん)

人気観光地の北海道小樽市では…
観光客でにぎわう北海道小樽堺町通り商店街。
今、イクラ丼はいくらになっているのか。
「イクラ丼、今うちは3980円」
「1年前から1000円くらい値上がりしてるかな。すごいところだと1杯10000円とはいわないですけど、8000円とかなってるところはたまに聞きます」(鱗商会 柏崎慎太郎取締役)
2024年より1000円高くなっても3980円なら良心的な価格設定だという。
「去年は1000円安かったんですよ」(ディレクター)
「取れないなら(値上げも)仕方ないですよね」(関西からの観光客)
「冷凍のイクラを使わなきゃいけない12月以降になるとたぶんまだまだ値段は上がっていくのかな」(鱗商会 柏崎慎太郎取締役)

札幌市中央卸売市場での生筋子1キロの卸売価格は、20年前は1500円ほどでしたが、2025年9月は9183円にまで上がっている。
「みんなが(不漁の)原因分からない中でね(漁を)やってると思います」(漁師)
北海道立総合研究機構は、北海道沿岸部の海水温の上昇やサケの回遊先の環境変化などが漁獲量減少に影響しているとみている。
イクラはこの先、庶民には手が届かない高級品になってしまうのか…。
