クライマックスシリーズ・パ ファイナルステージ第1戦がみずほPayPayドーム福岡で行われました。北海道日本ハムファイターズは福岡ソフトバンクホークスと対戦しましたが、先発の達孝太が6回無失点と好投し、レイエスが同点ホームランを放つも、延長10回にサヨナラ負けを喫し、初戦を落とす結果となりました。勝利への執念を見せたファイターズでしたが、あと一歩及びませんでした。
ファイターズの先発マウンドには、ポストシーズン初登板となる達孝太が上がりました。初回、一死から柳町達、栗原陵矢に連打を浴び、中村晃に死球を与え、いきなり満塁のピンチを招きます。しかし、続く牧原大成をセカンドゴロダブルプレーで仕留め、この回を無失点で切り抜けました。
2回以降、達は徐々に投球を修正し、ホークス打線を抑え込んでいきます。3回、4回は三者凡退に抑え、5回には二死から連打を浴びるも、栗原をライトフライに打ち取り無失点。
6回も二死から今宮健太にツーベースを放たれ、山川穂高に四球を与え一、二塁としますが、海野隆司をレフトフライに打ち取り、この回も無失点で切り抜けました。
達は6回を93球、被安打6、6奪三振の無失点と、先発投手としての役割を十分に果たしました。登板後、達は、「初回を0点で終えられたことが一番です。力んでしまい引っかけてしまいました。それでも2回以降は徐々に修正することができて、要所で三振を取れたことがよかったです。CS初登板でしたが、なんとか役割を果たすことができたと思います」とコメントを残しました。
ファイターズ打線は初回、先頭の万波中正が四球で出塁し、二死から郡司裕也のピッチャーゴロが相手のエラーを誘い、一、二塁。さらに今日一軍登録された今川優馬が死球で二死満塁としますが、清宮幸太郎がファーストゴロに倒れ、先制点を奪えませんでした。
2回にもスタメンマスクの進藤勇也のヒットと万波の四球でチャンスを作るも、山縣秀がショートゴロに倒れます。5回には万波のエンタイトルツーベースと山縣の送りバントで一死三塁の好機を迎えますが、レイエスの浅いセンターフライ、郡司のサードゴロで得点には至りませんでした。
試合が動いたのは7回裏。マウンドに上がった田中正義が、先頭打者の野村勇に痛恨のソロホームランを浴び、0-1とホークスに先制を許してしまいます。田中は二死から栗原にツーベースを許したところで降板し、上原健太が後続を断ちました。
1点を追うファイターズは8回表、一死からレイエスがホークス2番手の松本裕から右中間スタンドへ豪快な同点ソロホームランを放ち、すぐに1-1と試合を振り出しに戻しました。
8回裏を上原が三者凡退に抑え、1-1のまま9回の攻防へ。9回表は石井一成が、ホークス3番手の杉山一樹からライト前ヒットで出塁、続く万波もレフトに運び一、二塁と勝ち越しのチャンスを作ります。打席にはこの日途中から入った奈良間大己が入りますが、空振り三振に倒れ、得点できませんでした。
9回裏は齋藤友貴哉がマウンドに上がり、先頭の海野を四球で出塁させますが、一死二塁のピンチを招くも、最後は柳町を空振り三振に仕留め、試合は延長戦に突入しました。
延長10回表、この回先頭のレイエスがあと少しでスタンドインという左中間フェンス直撃のヒットで出塁します。郡司、矢澤が倒れるも、清宮が四球を選び一、二塁とチャンスを広げます。しかし、水谷瞬はライトへの大きなファウルフライを牧原が好捕し、二者残塁となりました。
その裏、金村尚真が登板しますが、先頭の栗原を四球で歩かせ、中村の送りバントで一死二塁。牧原を敬遠し、一死一、二塁と塁を埋めます。続く今宮健太にレフト前ヒットを浴び、一死満塁。金村は降板し、玉井大翔がマウンドに上がります。迎えるバッターは山川穂高。その初球、「サードゴロだと思った」という打球はサードの頭上を越えてレフトに転がりました。ファイターズはサヨナラ負けを喫し、ファイナルステージの初戦を落とす結果となりました。
試合後、新庄監督は達について「よかったね、ゲームも作ってくれたし」と切り出し、降板のタイミングについては「みんなで決めた」と明かしました。試合については「明日、明後日まだあるのでそれこそ切り替えでしょ」としつつも「作戦ができなかった。ノーアウト、ワンアウトで塁が埋まらなかったから」と振り返り、「明日はできるように祈っておきます」と語りました。
惜敗に終わった初戦ですが、達の成長、レイエスの勝負強さ、そしてチーム全体の粘り強さを示した試合となりました。ファイターズは第2戦にどう挑むのか。反撃は始まったばかりです。