週明けの日経平均株価は、取引開始直後に1500円を超える大幅上昇となり4万7000円台を付けた。
3日の終値は史上最高値となる4万5769円50銭だった。
自民党総裁選で高市早苗氏が勝利したことを受け、株高ピッチが強まり、取引時間中の最高値を更新した。
市場が材料視しているのは、高市氏の積極財政路線だ。
新総裁に選出されたあとの会見で、高市氏は、物価高対策に注力する姿勢を強調した。 高市氏は「ガソリンと軽油の価格を下げたい」と述べ、軽油も含め、暫定税率分をなくす考えを改めて示した。そして、「この臨時国会で法律を出してやらなければならないが、適用されるのは少し先になる。それまでの間、現在ある基金を補助金という形で出していく」と述べた。
また、医療や介護など国がサービス価格を決める分野の支援にも言及し、深刻な赤字に陥る病院が増え、介護施設で倒産が相次いでいるとして、「補正予算を使って支援できる形を検討してもらいたい」と提起した。
自治体が独自の物価対策にお金を使えるようにする重点支援交付金では、中小企業の賃上げなどを支援できるようにしたいとして、積み増しの検討に言及し、いまの賃上げ税制を活用できない赤字の中小企業などに対する手当ての必要性をあげた。
高市氏は総裁選で「責任ある積極財政」を訴え、「戦略的な財政出動で強い経済を実現する」としてきた。会見では「財政健全化が必要ないと言ったことは一度もなく、純債務残高の対GDP比を徐々に引き下げていく思いだ」と述べたうえで、「ただし、いま多くの人が困っている物価高を手当てするのは国の大事な仕事だ」「投資すれば必ず需要が生まれ、仕事をする方々がいて税収も上がる。税収が増える賢い投資をする『ワイズスペンディング』が私の方針だ」と説明した。
こうした姿勢を受け、週明けの株式相場は、積極財政路線が強く意識され、景気刺激策への期待が大きな支援材料となっている。
財政拡張的な政策がとられるのではとの期待の広がりとともに、日銀の早期利上げ観測は後退したとの見方が強まるなか、円相場は、円安が進んでいる。週明けの東京市場は、3日の安値1ドル=147円台から下振れ、149円台前半で取引されている。
高市氏は、日銀との関係について「政府と日銀が足並みをそろえてしっかりと協力しあってやっていかなければいけない」と訴えたうえで、「財政政策にしても金融政策にしても責任を持たなければいけないのは政府だ」と指摘し、金融政策の方向性は政府が責任を持つとの見方を示した。
一気に進む株高と下落圧力が強まる円相場。日経平均4万7000円台と1ドル=150円台が視野に入る。「高市トレード」が鮮明になる展開になってきた。