20年の歴史に幕を下ろした札幌市南区の民間の動物園「ノースサファリサッポロ」。
営業最終日の9月30日は、朝から大勢の人が訪れた。
依然300匹超の動物を飼育
「動物たちには罪がないので、子どもと最後に触れ合わさせてあげたい」
「2日前も来た。最後を見届けたいと思い家族で来た」(ともに来園者)

最終日も園内には多くの動物が残されていた。
9月5日の時点で319匹の飼育が確認されている。

園の代理人の弁護士によると、人に危害を与える恐れがあるライオンやトラなどの「特定動物」の受け入れ先の確保は難航している。

園のホームページには「法令違反により長年支えてくださったお客様やファンの皆様のご期待を損なう結果になってしまったこと、深くお詫び申し上げます」というメッセージが記されている。

札幌市は閉園後も定期確認を継続
2月に発覚した、市街化調整区域での156棟もの無許可建築。
運営会社の「サクセス観光」は2029年12月までに全て撤去する方針だが、9月18日の札幌市の立ち入り調査では、まだ118棟が残っていた。

営業最終日には園に隣接する地元町内会の代表が市役所を訪れ、違法建築物の監視強化や飼育動物の管理について陳情を行った。
「建物より動物の方が非常に大きな問題だと感じている。速やかに問題を解決してほしいというだけ」(陳情を行った町内会関係者)

札幌市は閉園後も、残った動物や建築物について定期的に確認するとしている。
また、動物の移動先と予定日などを明記した計画書を10月31日までに提出するよう指導した。

動物の管理や従業員の雇用も― 課題は山積み
閉園を迎えた「ノースサファリサッポロ」。
関係者によると従業員の一斉解雇はないが、一定数の人員整理はあり得るということだ。
飼育動物の移動先の確保や残された動物の管理に加え、従業員の雇用など課題は山積している。
問題を先送りしてきたツケが今、重くのしかかっている。
