9月5日から6日にかけて岡山県内では歩行者が車にはねられ死亡する事故が相次いで3件発生しました。事故の共通点から浮かび上がったのは照明の少ない夜道に潜む危険。警察が反射材の着用など対策を徹底するよう呼びかけています。
9月6日未明、岡山県里庄町の県道で歩いていた40代男性が乗用車にはねられ死亡しました。また、その前日の夜には浅口市で同様の事故が相次いで2件発生し70代の2人の男性が死亡しています。
事故があったのはいずれも当事者たちの生活道路。慣れた道路で、なぜ事故は起こったのでしょうか。
(岡山県警交通企画課 朝原健交通事故分析官)
「(3件とも)暗い道だった。照明があったとしても見通しが悪いほど暗い場所というのが共通する」
県内でも決して少なくない照明がなく危険な道路。岡山県警の分析官は反射材の着用が事故防止に大きな効果があると話します。
(岡山県警交通企画課 朝原健交通事故分析官)
「ドライバーは走行用ライトのハイビームを活用する。歩行者は自分を発見してもらいやすいように夜光反射材を身に着けると事故に遭う確率が減る」
JAFが行った実験の映像です。歩行者が反射材を身に着けていないとドライバーは直前まで姿を認識することができません。しかし、反射材を身に着けていると、遠くからでも歩行者の姿が分かります。
(岡山県警交通企画課 朝原健交通事故分析官)
「着けている場合だと約60メートル先でも発見できる。未着用だと25メートルほどまで接近しないと歩行者が分からない」
また、日が短くなるこれからの時期、特に注意が必要なのが朝と夕方の薄暮の時間帯です。岡山県警によりますと2024年度、県内で薄暮の時間帯に発生した車と歩行者の事故は9月ごろから増加傾向にあります。
(岡山県警交通企画課 朝原健交通事故分析官)
「退勤や下校の時間に重なってしまい、人が多く行き交う時間が薄暗くなり前が見えにくくなるので、(歩行者は)夜光反射材を付け、道路を横断する際は必ず車の有無を確認してほしい」
夜道の事故防止に必要なのはドライバーと歩行者の両方の安全意識。警察は9月11日夕方、浅口市内で反射材を配布するなど事故防止への呼びかけを強化するということです。