通信制AOIKE高校野球部が公式戦デビューへ 県内2校目、甲子園目指し挑戦

富山県内で2校目となる通信制高校の野球部が、秋季大会で公式戦デビューする。今年4月に創部したAOIKE高校野球部は、新川高校との連合チームで6日から始まる大会に出場する。未来富山高校に続く県内通信制高校野球部として、甲子園を目指す若者たちの挑戦が始まる。
6人の部員で創部から5カ月、初の公式戦へ

AOIKE高校野球部は今年4月に発足。現在の部員は6人で、春と夏の大会は人数不足で出場できなかったが、秋季大会では新川高校と連合チームを組むことで初めて公式戦に臨むことになった。

「早く試合がしたいなというわくわく感がある。しっかり1戦1戦を大事にしてベスト4に入って北信越大会に行きたい」と1年生の前遥琥選手は意気込みを語る。

部員6人のうち2人は2年生だが、転入生は規定により1年間公式戦に出られないため、今大会は1年生4人が挑むことになる。この1カ月間、新川高校の選手と互いのグラウンドを行き来しながら練習を重ねてきた。

監督を務めるのは高岡市出身で、プロ野球のヤクルトや巨人などで投手として活躍した田畑一也さん。創部から約5カ月、チームを指導してきた。
「着実に成長していると思う。一つでも良いところが試合の中で出るように指導している」と田畑監督は選手たちの成長を見守っている。
学びと野球の両立、通信制ならではの環境

野球部の生徒が通うのは、閉校となった旧南砺福光高校を拠点とする南砺福光キャンパス。部員はいずれもスポーツアスリートコースに所属している。通信制でありながら、基本的に週5日登校し、スポーツの歴史や栄養学について学ぶ。そのほかの教科学習はタブレットを使ったレポート学習で行っている。


授業では多彩な外部講師を招き、将来のキャリア選択に生きる学びも重視している。元プロレスラーで現在は会社経営をしている矢郷良明さんはお金に関する授業で、「生きる力、自分の力で道を切り拓いていくということが大事。少しヒントになればと思う」と生徒たちに語りかけた。
野球に専念できる環境を求めて入学する生徒が多く、全6人の部員のうち県出身の選手はわずか1人。全国から甲子園出場を目指して入学してくる生徒が多いのが特徴だ。

通信制高校では学習面でカリキュラムの自由度が高いことで練習時間を確保しやすく、野球に集中できる環境が整っている。2年生の藤澤壱稀選手は「授業も楽しいし野球も楽しい。授業でも元気良くできたので野球も元気良くやりたい」と笑顔で話した。
甲子園の夢へ、球児たちの挑戦がスタート
「最初は連携プレーも上手くいかなかったが練習しているうちに上手くなってきているので楽しみ。ここから上がっていくだけだと思うので相手の胸を借りるつもりで頑張りたい」と1年生の湯田球斗選手は試合への期待を語る。
富山県内2校目となる通信制高校野球部の公式戦デビュー。デビュー戦は6日、同じく連合チームの富山高校と雄山高校との対戦となる。甲子園を夢見て野球に打ち込む球児たちの挑戦が、いよいよ始まる。