今年の夏、あまり蚊に刺されなかった…という人も多いのではないでしょうか。蚊と気温の関係について専門家に聞くと、猛暑が落ち着いたこの時期から蚊の活動が強まることが分かりました。


◆猛暑が落ち着くと…蚊の活動が活発に

蚊の生態について、福井市自然史博物館の昆虫担当・伊藤勝幸さんに話を聞きました。
  
この夏の蚊が少ない印象について伊藤さんは「やぶ蚊(ヒトスジシマカ)は30度前後が適温なので35度を超えると活動が弱まる。場合によっては死んでしまう個体も。高温により活動が抑えられているといえる」と解説します。
 
草むらや家の周辺に生息している「やぶ蚊」は、産卵前の雌が栄養を補おうと動物の血を吸います。寿命は1カ月程度ですが、1回の産卵で80個ほど産み、生涯で3~4回の産卵を繰り返します。
 
猛暑が落ち着いてくるこれからは蚊の活動も活発になり、本格的なシーズンを迎えるのです。
 
伊藤さんによりますと「ヒトスジシマカは5月から11月くらいまでは注意が必要」だということです。

◆村田気象予報士の解説

蚊が活発に活動する気温は35度を下回り、20度くらいまでだそうです。直近5年間の福井市の最高気温の平均をみると、8月は35度以上の日が続き、9月に入るとようやく35度を下回り、11月末まで活動しやすい時期が続くことになります。
  
福井市で過去最多の猛暑日を観測したこの夏は、蚊にとっても過酷な環境が続いたことになり、まさに、これからが本格的な蚊のシーズンです。


◆“虫よけ商戦”にも影響

今年の猛暑の影響は、虫よけグッズにも出ています。
 
福井市のスーパーセンター・PLANT3では例年、夏場には売り上げが伸びる虫よけグッズですが…広報の上山佳宏さんは「猛暑で8月の売り上げが昨年比で約90%になった」と話します。
 
虫よけグッズが売れる時期について上山さんは「この後来るのではないか」と予測しています。そのため「例年は9月中頃には売り場を縮小するが、今年はお客さんの動向や売れ行きをみて売り場の延長、継続を考えている」といいます。

◆傾向と対策

蚊に刺されやすい人には、次のような特徴があります。
 
▼汗をかきやすい人(運動をしている人)
▼二日酔いの人(二酸化炭素を多く出す人)
▼黒い服を着ている人

蚊に刺されないためには、次のような対策を取りましょう。
▼虫よけスプレーを使用する
▼長袖長ズボンを着用し肌の露出を防ぐ
▼家の周りに水たまりをつくらない
▼家の周りに蚊が休むような草むらをなくす(草むしりをする)
   
まれに過剰なアレルギー反応を示す体質の人もいるため、しっかりとした対策をしましょう。

福井テレビ
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