夏が旬! 八幡浜の高級食材「ハモ」の魅力に迫る
愛媛県八幡浜市は宇和海や瀬戸内海に囲まれた豊かな漁場を持ち、全国有数の魚の水揚げを誇る街だ。
その八幡浜、実は関西地方で『夏の食材』として人気を博す「ハモ」の水揚げ量が全国トップクラスなんだそう。
中山明音アナが、八幡浜の卸売市場を訪ね、高級食材の魅力に迫った。

早朝4時からすでに活気あふれる魚市場
中山明音アナ:
「辺りは薄暗い早朝4時。すでに元気な八幡浜の市場からお散歩してみましょう」
早朝の八幡浜市場は、多くの魚が並べられ活気に満ちていた。
中山アナ:
「セリ前の忙しい時間帯ですが、魚がいっぱい並んでますね」
八幡浜漁業協同組合市場部 飛彈浩司課長:
「ここ2、3日はしけて魚はなかったんで、きょうは多いほうです」
八幡浜周辺のハモは5月から7月頃まで『はえ縄漁』で、8月以降は『底引き網漁』で獲れるという。
いけすに入ったハモを網ですくいだしてもらった中山アナ。
市場の床を這う迫力満点のハモを見て、中山アナも「歯がすごい」と驚きの声。
飛彈課長も「噛まれたら指は飛びますよ!」と怖い一言を発していた。

全国トップクラスのハモの水揚げ量を誇る『八幡浜』
八幡浜のハモの水揚げ量は「多い時で日に3~4t」だそう。実は、愛媛では年中獲れる魚だが、生命力が強く夏場でもほかの魚より傷みにくいため、海のない京都を中心に“夏のごちそう”として重宝されたという。
飛彈課長は「量的に言うたら、八幡浜の水揚げは愛媛県内では間違いなくナンバーワン。全国的にも多分片手のうちに入る」と自信を見せる。
ハモの水揚げを行っているのは、徳島・兵庫の淡路・山口など限られた地域で、その中でも八幡浜の取扱量は特に多いそう。
水揚げされたハモの多くは関西や関東などの都市部に出荷され、特に7月の「大阪の天神祭」や「京都の祇園祭」の頃は需要が一番高まるため、漁獲量も多く値段も高くなる。
いけすで生かしたまま出荷する鮮度の高いハモが特に好まれ、高級品として扱われている。

ハモに並ぶ高級魚 愛媛県もイチオシの「シロアマダイ」
ほかにも、ここ八幡浜で水揚げされる高級魚として知られるのが「シロアマダイ」だ。
飛彈課長:
「1キロ当たり1万円を超しますんで。今まで一番値が良かったもので、キロ4万円くらい。1尾にすると8万円くらいになった」
市場の卸値でその値段なので、都市部の高級料理店などで出される際には、「2倍か3倍の値段を取られるのではないか」と笑っていた。

地元・八幡浜でいただく新鮮なハモ料理の魅力
市場で紹介してもらった地元の料理店を訪ねた中山アナ。
八幡浜市にある「肴屋うみ」は、獲れたてのハモを使った絶品料理を提供している。
店主の笠岡俊成さんは和食料理人歴14年、独立して店を構えて7年目の料理人だ。八幡浜出身の笠岡さんは「地元の魚をよりおいしく届けたい」という思いから、故郷に店を開いたそうだ。

まずは「鱧の炙り藁燻し」をいただきます!
今回いただいたハモ料理は「鱧の炙り藁燻し」と「鱧しゃぶ」の2品。「鱧の炙り藁燻し」は、当日の朝しめたばかりのハモを、まず皮目をワラで炙り、梅肉ソースと梅ジュレ(梅干しの種から出汁をとったもの)を添えたオシャレな一品だ。
店主・笠岡俊成さん:
「皮目はパリッとして、身のほうは生のままを楽しんでもらう」

刺身とは違った歯ごたえを楽しめる「鱧しゃぶ」
「鱧しゃぶ」はハモの骨などからじっくりとった出汁に、ハモの身をさっとくぐらせていただく。刺身とは違った弾力が楽しめる。
笠岡俊成さん:
「生命力の強いハモは食べたら元気になる。今年の夏はぜひ八幡浜のハモを食べて、この暑い夏を乗り切っていただきたい」
八幡浜は質の高いハモを年中安定的に提供できる貴重な場所。その背景には、宇和海や瀬戸内海に囲まれた豊かな漁場がある。
夏の高級食材として親しまれるハモを通して、八幡浜の海の恵みの豊かさを再認識できる『おさんぽ』となった。
