高騰が続く米の価格。大阪のスーパーには新米が並ぶようになってきましたが、5キロで4000円を超えるものばかりで、去年と比べるとおよそ1.6倍になっているものもあるということです。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演したジャーナリストの鈴木哲夫氏は、石破総理への“直電”取材をした結果として、「(続投へ)やることが増えた。それはコメ!」という総理の考え方を示し、「続投の一番大きな理由になっているかもしれない」と説明しました。
■店頭に新米も…「5キロ4000円超」が並ぶ
大阪府八尾市のスーパー「フレッシュマーケットアオイ」では、『2025年度産新米』が早くも店頭に並べられていました。
その価格は、いずれも5キロで、高知県産「南国そだち」が4290円、宮崎県産「一番穫りこしひかり」が4490円、「高知こしひかり」が4390円、そして「宮崎県産こしひかり」が4690円でした。
お店の人によると、宮崎県産のコシヒカリは去年、5キロ2780円で販売していたということで、およそ1.6倍になっているそうです。
高騰の原因として、「生産コスト、流通コストの上昇、絶対数量の不足、天候不順等が重なった要因があると考えています」と話しました。
■ジャーナリスト鈴木氏「米政策が石破総理続投の一番大きな理由になっているかも」
価格が高騰する中で、政府が米を増産すると方針転換したことについて、石破総理の取材歴20年超のジャーナリスト・鈴木哲夫氏は、今月10日に電話取材をした結果として、「(続投へ)やることが増えた。それはコメ!」という内容を示し、次のように解説しました。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫氏】「10日の日、自民党の両院議員総会が終わって、その翌々日に電話したんです。その時に相変わらず続投への意志は強いと(感じた)」
そして石破総理はこれまで続投の理由として『関税』や『戦後80年のメッセージ』を示していましたが、鈴木氏が「大雨や暑さなどの災害への対応も必要だ」と話したところ、『防災もあるんだけど、自分は米だ』と意欲を示したということです。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫氏】「『防災もあるんだけど、自分は米だ』っていきなり言った。ものすごく米政策に思いがある。『米を大改革していく、農家への補償もやる。これをやるんだ』という意思は強かった。もしかしたら今一番の続投の大きな理由になっているかもしれない」
■農家「転作を戻さないと増産難しい」さらに気候変化で「収量減っている」とも
一方で実際に生産を担う農家からは、「増産」という政策の転換に戸惑う声も聞かれました。
【兵庫・豊岡市の米農家 平峰拓郎さん】「長年、減反政策が続いてきて、農家も徐々にシフトしてきたので。今までの減反政策で飼料用米などをつくっていた農家さんが、主食用米に戻すということをしないと、おそらく増産は厳しいと思います」
また平峰さんは、気候が変化していることで「ここ数年どんどん、どんどん収量が減っている」と訴えるほか、耕作放棄地の利用にも疑問を唱えました。
【兵庫・豊岡市の米農家 平峰拓郎さん】「耕作放棄地を利用するという話もありますが、日本でどれぐらい米作りに使える放棄地があるんだろうというのも、ちょっとクエスチョンです」
政府が進めようとしている米の増産ですが、一筋縄では行かないようです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年8月18日放送)