広島市に原子爆弾が投下されて2025年8月6日で80年です。岡山・香川の各地でも犠牲者を追悼する式典が行われ、平和への祈りをささげました。
広島県に隣接する笠岡市で行われた式典には被爆者の家族など12人が参列しました。はじめにこの1年間に亡くなった原爆死没者1人の名前が読み上げられました。そして、広島市に原爆が投下された午前8時15分に黙とうが行われました。
参列した人は献花したあと鐘を鳴らし、原爆で犠牲となった人を追悼するとともに平和への祈りをささげていました。
2025年は原爆投下から80年という節目にあたることから6年ぶりにかさおか平和のひろばで式典が行われました。
(笠岡市非核平和都市宣言啓発実行委員会 上小城昌昭委員長)
「被爆80年の式典を盛大に行いたいが、年齢的に笠岡市の(被爆者の)平均年齢は89.4歳。こういう場に出てくる人が少なかったと思う。これから盛大になることはないが、現状維持はしていきたい」
津山市の神楽尾公園にある原爆慰霊碑では平和の鐘が鳴り響く中、参列した人たちが手を合わせました。慰霊碑には広島で被爆し、その後、岡山県北に移り住み亡くなった473人の名簿が納められています。
2025年、被爆者として参列したのは86歳の女性1人だけ。慰霊碑にそっと手を合わせる姿がありました。
(広島で6歳の時に被爆した吉岡美子さん(86))
「当時のことは、この年齢になったので記憶が定かではなくなった。こういうことがないように平和な時代を築くよう努力してほしい」
(岡山県原爆被爆者会津山支部 木原賢一支部長)
「被爆者は皆さん言っているが絶対戦争したらいけない。核廃絶は絶対条件で、世界の人が平和にならないといけないと常々言っている」
慰霊碑のそばには被爆した広島市旧庁舎の敷石の一部が置かれ、被爆の爪痕を今に伝えています。
被爆者の数は年々減少していて、2025年3月末時点で岡山県内で834人、香川県内で160人となっています。