自由研究に取り組む子どもも多い夏休み。そんな中、8月1日、新潟大学で発表されたのは“星の誕生”に関する発見です。研究が難しく、謎に包まれているという銀河の辺境の未来を明るく照らす発見とは?
【高濱優生乃アナウンサー】
「まもなく世界初となる、銀河系での歴史的な発見に関する発表が行われます」
会見に出席したのは、新潟大学大学院・池田達紀さんを中心とした研究グループのメンバー3人。
「分子ガスの流れであるアウトフロー・ジェットを天の川銀河の外縁部において、世界で初めて撮影することに成功しました」
発表されたのは、地球から約2万6千光年離れた天の川銀河の端で撮影した“星が誕生するサイン”について。
太陽系で星が生まれると通常、両方向に勢いよくガスが噴き出す“アウトフロー・ジェット”という現象が見られます。
しかし、太陽系からも大きく離れた天の川銀河の外縁部は周辺環境なども異なり、謎に包まれてきました。
今回判明したのは、その天の川銀河の外縁部でも星が生まれる際の兆候が太陽系と同じであるということ。
【新潟大学 下西隆 准教授】
「物質進化の過程は、天の川の辺境はほとんどまだ調べられていない。私たち生命の材料となる物質がどのようにつくられて、同じような分子か、それとも違うものが存在するのか、そういったものを調べる上で今回の発見は非常に大きい」
観測したのは、3年前の10月と12月。世界一の性能を誇る望遠鏡『アルマ望遠鏡』で行われました。
研究者からの人気が高く、審査を通った者しか使用できないため、あわせて10数時間という限られた時間の映像を3日間かけて観測したといいます。
【新潟大学大学院 池田達紀さん】
「最初見つけた時は、単純に『なんだこれは』という感想を持った。全く予期していなかったので、非常に驚いたというのが率直な感想」
小さい頃から宇宙が好きで図鑑を読んでいたという池田さん。夏休み中の子どもたちに届けたいメッセージを求めると…
【新潟大学大学院 池田達紀さん】
「宇宙について、まだ知らないことがたくさんある。ぜひ、皆さんには分からないことに興味を持ってどんどん追究していってほしい」