中国現地さながらの朝市周辺で、違法行為が横行。
警察も出動する事態となっています。
大阪府大東市で、毎週日曜日に開かれる朝市で店内に、所狭しと並ぶのは、本場中国の料理や食材。
多くの在日中国人などが集う人気スポットですが、朝市の周辺で違法行為が横行。
その実態と背景を独自取材しました。
■地域住民から怒りの声「注意したら逆切ギレ」 中国さながらの朝市
大阪府大東市に店を構える中国物産店「華龍食品」。
平日は閑散としていますが、日曜日になると、中国の現地さながらの「朝市」が開かれます。
20年以上も前に、中国出身の店主が朝食などを売り出したのが、朝市の始まりで、中国人コミュニティーを中心に評判が広がりました。
【中国出身の客】「めっちゃうまいです。中国と一緒です」
【中国出身の客】「日本には25年くらい住んでいるが、当初からここは流行っていました」
しかし、この店の周辺で迷惑行為が横行しているようで、近隣住民からは怒りの声が…。
【地域住民】「いろんなところでお店出しているから、騒がしいんですよ。みんな諦めているんちゃう?私は諦めています」
さらに近隣の飲食店からは…。
【近隣の飲食店】「注意したら逆切れしてくるし、大変ですよ!なんていうんですかね…怒りを通り越して呆れています」
一体、何が起きているのか…日曜日の朝の様子を取材しました。
■威勢のよい中国語が飛び交う朝市 一方で違法行為の誘発も
【記者リポート】「幹線道路も交通量はまだまばらなのですが、人が集まるスポットがあります。これが、朝市です」
早朝にも関わらず、店先や店内には50人以上の客が。威勢のよい中国語が飛び交います
この朝市に詳しい立命館大学の駒見准教授によると、「朝市の周辺には在日中国人などが住む公営団地が多く、長年、人気を博してきた」ということです。
しかし、この人気が違法行為を誘発していたのです。
【記者リポート】「かなりの数の車が停まっていますね。計19台が路駐していますね。2車線道路の1車線がほぼ潰れています」
周辺にコインパーキングが少なく、路上駐車が横行。
さらに、朝市とは関係のない店舗の駐車場に車を停める人も…。
(Q.ここはリユースショップの駐車場だと?)
【無断駐車をしている 朝市の客】「知っていました(笑)。まだ店が開いていないから、迷惑ではないかなと思って」
朝市から100メートルほど離れた「マクドナルド」も6月から警備員を雇い、無断駐車の対策に乗り出しています。
■無許可営業を指摘すると「日本語できない」 話題を変えると「私、大東市民」
さらに、地域住民が頭を抱える行為は他にも。違法露店です。
【記者リポート】「違法露店を禁止する看板が目の前に設置されているのですが、全く気にすることなく多くの人が道路に商品を並べています」
警察によると、朝市の周辺にある露店は、無許可営業だということです。
(Q.ここで商品を売るのは違法だと?)
【露店商】「ここは初めて、分からない」
(Q.なぜここに来ようと?)
【露店商】「わからない。私、日本語はできない」
「日本語が話せない」ということですが、別の話題を振ると…。
(Q.どこから来ましたか?)
【露店商】「私、大東市民」
(Q.この豆は自分で作ってるんですか?)
【露店商】「うん、これ中国語でジアンドウ」
(Q.全然、日本語を話せるじゃないですか!)
【露店商】「少しや、まだ!」
また、別の露天商はあっさりとこう明かしました。
(Q.道路の使用許可はとっていない?)
【露天商】「(うなずく)意味は分かります」
(Q.ここで売るのは違反なのは?)
【露天商】「見たら分かります。警察が来ると、これ全部、片付ける!」
■警察が現れると姿をくらませる路上駐車・露天商
「鶴見警察です。路上に車を停めている人、すみやかに移動してください」
【記者リポート】「警察車両が来ました」
すると、20台前後いた車が、ものの数分でいなくなりました。
違法露店も、警察を察知してか、姿をくらませます。
警察は、まだ残っていた露天商のもとへ。
【警察】「道路に(店を)出したらダメ!いつも言っているでしょ。来るたびに私言っている」
■取り締まりの常連? 運営は「あくまで個人の責任」
【警察】「日本語は大丈夫?」
【闇露店】「わからんなぁ」
【警察】「じゃあ中国語があるからおいで。あなたが責任者ね。聞こえんふりせんでいいから。交通の妨害となっています、読める?これ中国語やから読めへんかったらおかしいよ」
取り締まりにもすっかり慣れた様子で、警察の前で一服。
警察によると、この日は3件の警告を出したということです。
朝市を運営する華龍食品は、この問題について“あくまで個人の責任”だと話します。
(Q.違法露店について)
【朝市を運営 華龍食品社員】「当店とは関係なく、個人が責任をもって販売している。みんな顔見知りなので、強く言えないのが正直なところ」
一方で、違法駐車については…。
【朝市を運営 華龍食品社員】「お金を惜しまず(パーキングを)使ってほしいが、仕方ないです」
(Q.対策は?)
【朝市を運営 華龍食品社員】「いえ、特に何も」
人気の中国朝市の周辺で、後を絶たない違法行為。
地域と共生するためにも、正しく利用することが求められます。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月1日放送)