全国で約1000人の被爆体験を聞き取った元民放記者の伊藤明彦さんが、聞き取りの計画や思いをつづったはがきが、このほど、親交があった被爆者の自宅から見つかりました。

見つかったのは、1993年から2008年にかけて、伊藤明彦さんが書いたはがき10枚です。

親交があった長崎市の被爆者に送ったもので、新年のあいさつや転居の知らせとともに、半生をかけて取り組んだ被爆証言の聞き取りに触れています。

「来年秋、長崎に移って一年間、被爆者を取材したい計画です」
「(録音の)テープレコーダーから漏れ出る「声」は鬼哭啾啾・・・」
※鬼哭啾啾とは、亡霊が声を上げて泣く様子、弱々しく泣き、悲しむ恐ろしさのこと

伊藤さんは長崎の放送局を退職後、1971年から8年をかけ、1000人もの被爆者の証言を録音し、音声記録としてまとめました。

伊藤さんをよく知る元記者
「(原爆の)死者たちがね、おれたちの声を聞けって呼んでるんだっていうわけですよ。苦しみながら、しかし、その中でも頑張ってたんだなということが(はがきから)浮かび上がってきますよね」

伊藤さんをめぐっては、2025年、著作が復刊されたほか、伊藤さんをモデルにしたテレビドラマが放送されるなど注目されています。

テレビ長崎
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