ロシア・カムチャツカ半島付近で7月30日朝に発生した大地震により、福島県内の沿岸部に発表された津波警報。これまでにケガ人や被害の情報が入っていないが、地域防災に注力する人は「意識の高まりを実感できた」という。
■防災訓練の成果
2年前まで福島県相馬市・岩子地区の区長を務めていた山下利雄さんは、東日本大震災の経験からこの地区の「防災力」強化に力を入れてきた。
海抜10mほどの場所にある山下さんの自宅周辺は、一時的な避難場所になっていて、今回も30人以上が身を寄せたという。
防災訓練を繰り返し、「まずは避難」と地域で共有してきた成果が現れたと山下さんは話す。
■課題:季節に合わせた備えを
しかし、新たな課題も見つかったという。それが「避難場所の暑さ」。隣の南相馬市では、冷房設備に不安があった避難所を別の施設に変更するなど対応に追われた。
岩子地区の備蓄倉庫にも、水や布団を準備しているが、季節や地域に合わせた十分な備えの必要性を改めて実感したという。
山下さんは「その地区によって、地形も生活も全部違う。それが国とか行政団体から言われた通りにはできない。その地区にあったやり方というのが地区の避難活動、これが必要だと思う」と話した。