猛暑による水不足は、コメ作りに影響を及ぼしています。これから稲が穂を出す出穂期を迎え、大量の農業用水が必要となります。南越前町の桝谷ダムの管理事務所は、ダム流域の日野川用水地区をはじめ農業関係者を集めた会議を開き、貯水率が低下している状況を説明。これを受け農業関係者らは収穫までを見通し、取水制限をする事を決めました。

佐々木拓哉アナウンサー:
「越前市の水田です。出穂を控え、最も水が必要な時期となりますが、水が不足している影響はすでに水田にも出ています」
 
日野川用水地区は桝谷ダムなどから供給される水を越前市、南越前町、鯖江市、福井市の22の土地改良区、合わせて約5000ヘクタールの田んぼに流しています。

桝谷ダムなどの貯水率が下がり、今後も回復が見込めない現状を受け、29日には土地改良区の代表が集まり会議が開かれました。
  
この地域の水田はコシヒカリの栽培が多く、これから稲の穂が出る時期を迎えますが、近年にないダムの貯水量の低下を受け農業用水の使用制限を決めたということです。
  
日野川用水土地改良区・杉本寛重理事長:
「8月5日から使用量を半分にしてほしいとお願いした。収穫期まで何とか水を持たせないといけないので」

コメの収穫に向けて少なくとも8月いっぱいは田んぼに水が必要となるため、8月5日から各土地改良区が使用する水量は、現在の半分に制限するということです。
   
日野川用水地区では対策を徹底するためチラシを作成するとともに、ホームページや公式ラインなどを通して生産者らに節水を呼び掛けていくことにしています。
  
品質や収量を左右する最も大切な時期を迎えたコメ作りの現場。2024年から続く「令和の米騒動」に揺れる生産者たちは、水不足という新たな問題に直面しています。

福井テレビ
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