諏訪湖の「サマーナイト花火」に合わせ、7月25日から始まった「湖上ビアガーデン」。午後8時半ごろに打ち上がる花火を間近で見られるのが一番の特徴ですが、もう一つ売りがあります。それが新鮮な魚介類です。というのも、ビアガーデンを手掛けているのが長野県下諏訪町の鮮魚卸の会社なんです。なぜ、ビアガーデンをオープンさせたのか?
7月25日から始まった「諏訪湖サマーナイト花火」。1カ月間、午後8時半から1日約500発が夜空を彩ります。
期間中、諏訪湖で営業するのが「丸松湖上ビアガーデン」です。普段は使われていない桟橋の上を使い、今年初めてオープンしました。
ビールの「つまみ」は新鮮な魚介類。マグロの解体ショーも目の前で楽しめます。手がけるのは下諏訪町の鮮魚卸・丸松水産の松浦志保社長です。
丸松水産・松浦志保社長:
「(魚を)より楽しく食べられる場所と、(地域の)中心に諏訪湖があり、花火という資源もあるので、より生かすためにというところで、湖上でのビアガーデン」
静岡出身の松浦さん。地元の市場で仲卸をしてきましたが、信州は鮮魚の需要が高いと見て、2015年、下諏訪町で丸松水産を開業しました。
毎日の仕入れは佐久市と静岡市を結ぶ中部横断自動車道を活用。2021年に山梨・静岡間約74キロが開通し、静岡市の市場から下諏訪の店までは約2時間程度です。「時短効果」を生かし、中南信だけでなく東信エリアにも取引先を広げました。
さらに「時短効果」の次の一手として「ランチ営業」も2024年4月から始めました。朝、仕入れた新鮮な魚を昼に提供できます。
客:
「いいね、いろんな味が楽しめて。(種類が)こんなにあると思わなかった」
「おいしい、サクサク」
ランチ営業も軌道に乗り、「夏の観光シーズンにもっと客を呼び込めないか」と考えた松浦さん。諏訪湖の「サマーナイト花火」に合わせ、ビアガーデンを営業することを決めました。
もちろん売りは、その日の朝に静岡の市場で仕入れた新鮮な魚介類です。
客:
「おいしいです」
オープン初日、客の前に現れたのは大きな「本マグロ」です。
松浦社長:
「三重県は伊勢、生の本マグロ。きょうの朝、静岡の市場に入荷」
不定期ですがマグロの解体ショーも行う予定です。
約60kgのマグロを客の前で―。
松浦社長:
「3・2・1、どっこいしょ!」
松浦社長:
「本日のマグロ、脂の乗りがいいかどうか、先に見ていただきたいと思います。どうでしょうか」
さばきたてを―。
客:
「めちゃくちゃうまいね」
地元客:
「新鮮さというか、臭みがないというか。地元なんだけど、旅行に来たような気分」
「普段食べているマグロよりも脂が乗っているようで、口の中で溶ける感じでした。夜景もきれいで、涼しくて、最高ですね」
花火が始まると客はテラス席へ。
客:
「湖上でこの距離で花火を見られるなんて、(他には)ないですね」
「一番の特等席みたいな感じで、特別感があってよかった。解体ショーもあって、おいしいものばかりで最高でした」
松浦志保社長:
「魚の卸をやっていることもあり、より強みを生かした形で、諏訪湖・花火、諏訪の持っている強い武器を掛け合わせて、いいものをつくりたい。今後さらに、全国から諏訪湖に来ていただければ」
冷えたビールと新鮮な魚介類。そして花火!県民も観光客も楽しめる「湖上ビアガーデン」。夏の諏訪湖の新たな観光の目玉になりそうです。
「丸松湖上ビアガーデン」の営業は8月24日まで。8月14日、15日の2日間を除いて毎日午後6時から9時まで営業しています。利用には入場料が必要ですが、刺身の盛り合わせなどを含んだコース料理の提供も相談を受け付けているということです。