北アルプス横尾付近で単独で登山をしていた千葉県流山市のアルバイト従業員の82歳の男性が遭難しました。疲労はしているもののけがはない模様です。

男性は7月29日、槍ヶ岳から下山中、横尾付近(標高約1650メートル)で日没と疲労のため行動不能になりました。

警察によりますと、男性から家族に電話やメッセージアプリで「今いる場所がわからない」と連絡があったということです。

午後7時半頃、家族から救助要請を受け、長野県警山岳遭難救助隊員が出動し、午後9時半前、男性を付近の山小屋に収容しました。疲労しているもののけがはないということです。

男性は7月25日、単独で上高地から入山していました。

長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中しています。特に暑い今の時期は、登山者が気温や高度差で体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となって整備された登山道でも、浮石やガレ場などちょっとした不注意でバランスを崩して転倒することがあります。もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大のリスクが潜んでいるため、最後まで気を抜かずに登山するよう呼びかけています。

長野県内は夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山域でも疲労や熱中症などにより動けなくなることがあります。

県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。