20日の参院選で14議席を獲得し、大躍進した参政党。

21日、関西テレビの「旬感LIVEとれたてっ!」では、橋下徹氏と参政党の神谷宗幣代表が生放送で、激論を交わしました。

大規模な財政出動を中心とした経済政策を提案している参政党は、国債の発行を案として挙げていますが、橋下氏が金利上昇などリスクがあることを指摘しました。

■政策としてやらなければいけないのは「減税と積極財政」

【参政党・神谷代表】「まず一番政策としてやらなければいけないのは減税と積極財政のところだというふうに思います。これは我が党だけの数ではできませんので、他の野党も現在訴えた方もたくさんありました。国民さんなんかも強く訴えて議席伸ばされたと思いますので、そういったところと、まずどういう形で、減税をしていくのかというところだと思います。

前回の国会でもガソリン減税が中途半端で終わってますので、そういったところからいくのか、これはまず野党で協議していかないといけない部分かなと思っています」

(Q:与野党問わず、それぞれの政党と他の党とも連携していくということか?)

【参政党・神谷代表】「そうですね。我々の数だけではできませんし、やはり国民の経済は非常に厳しい状態ですから、やっぱりより早くいい方法で何かの解を出していく必要があると思います。

(Q:選挙戦で訴えていた子供1人につき月10万円。財源は?)

【参政党・神谷代表】「財源論で言い出すと何もできなくなってしまうので、やるとすればいろんな今給付してるものを一括でまとめて現金給付でやるという方法と、教育国債を出すという方法と、政府発行のデジタル通貨。こういったものを新たに作って、新しいお金を生み出すと。国内でしか当然使えないですけども。
でも子育ての支援には多分使えると思うので、そういったものを制度化していくという方法、3つあると思うんですけども、この点に関しては、今回(参院選で)通られた松田(学)さん、安藤(裕)さんとか、策をいろいろお持ちですので、そういった方々と、随時お話を進めていきたいと思います」

■”積極財政”「どれぐらいの規模を想定?」と橋下氏が切り込む

この政策について、橋下氏が神谷氏に疑問をぶつけました。

【橋下徹氏】「財源論はちょっと置いといて、昨日も選挙特番で神谷さんとは防衛費について(議論した)。神谷さんたちはアメリカ軍を日本から外に出すっていうふうに言うもんですから。

中国は国防費が36兆円、ロシアが20兆円もかかってるので、日本の防衛費どれぐらい想定してますかと言ったら数字は考えたら議論にならないから、もう数字から入らないっていうんだけども、財源は置いといたとしても、現実の行政はこれがいくらかかるのかは計算しなきゃいけないと思うので。今まず神谷さんが考えている財政出動と減税ではどれぐらいの金額の規模をまず考えてるんですかね?」

【参政党・神谷代表】「子育ての資金に関して16兆円ぐらいを考えています。ただすでにいろんな手当で何兆円か出してますので。それを合算すればもう少しその金額は下がっていきますけども、13兆とか14兆とかそれぐらいのお金が必要なってくると思います」

【橋下徹氏】「これは子供1人につき月10万円ですけども、その他の財政出動もいろいろ言われてるじゃないですか。財政出動もそれはどれぐらいの規模を考えてるんですか?」

【参政党・神谷代表】「これは何をやるかによって変わってくるので、どれを選ぶかだと思います。やっぱり力入れていきたいのは、1次産業の方々に所得補償ですね」

■「子育て費用・農家の所得補償で数十兆円必要」「国債発行すれば金利は?」と橋下氏

【橋下徹氏】「規模はどれぐらいを考えてます?所得補償も過去の政権がやろうと思ってもなかなか数字のところで進められなかったんだけども、神谷さんが考えてる農家さんの皆さんに対する所得補償金額はどれぐらいを想定されてるんですかね?」

【参政党・神谷代表】「金額では想定はしっかりと厳密にはやっておりません。所得保証でいくのか、準公務員かというような形で考えていて、例えば林業の方って4万人ぐらいいらっしゃるんですね。そういった方々を例えば準公務員として所得を500万保障しようと思うと、単純に掛けると2200億円ぐらいいるということになってきます。

林業は4万人しかいないんですけど、農業100万人以上いらっしゃるので、どういう形の農業かによってもこの基準を変えていかないといけないんですよね。

専業なのか兼業なのか、大規模なのか小規模なのか、それが平野部なのか山間地なのかということで条件を変えていかないといけないので、それはもう少ししっかりと数字を取りながら詰めていかないといけないんですよね」

【橋下徹氏】「まだ数字が生煮えの状態であることはもうしょうがないところあるんだけども、さっきの子育ての費用とかそれから農業の補償だけで、もう数十兆円のお金が必要なんですよ。神谷さんはこれを財源は国債でもいけるっていうんだけども、僕は国債発行でもいいとは思うんですが、上限を決めないと。今、金利も上がってきて、長期金利も上がってきて、大変な状況になってくる予測もあるから。上限ないんですか?神谷さんたちは”国債刷れ刷れ”って言うんですけども」

【参政党・神谷代表】「上限はやっぱり市場を見ながらやっていかないといけないと思いますね」

■橋下氏「金利が上がったら大変なことに」と指摘

経済政策をめぐる議論が熱を帯び、財源や財政出動による金利への懸念を示す橋下氏。

大規模な経済政策の中で、『まず取り組みたいことは何なのか?』と尋ねられた神谷代表は消費税の減税を挙げました。

【参政党・神谷代表】「まず消費税の減税です。現在これもやっぱり財源が減ることになるので、まず国民が使えるお金をふやすというところから入っていかないといけないと思います」

【橋下徹氏】「でもそれだけでも30兆ぐらいかかるでしょ。もし(消費税を)0にするとね。まず30兆のお金、それから子供たちにも16兆ですよ。もうこれだけで46兆。
だから、どこまで国債を刷るか、限界を神谷さんたち言わないから。これから現実の政治行政をやっていくときに、もう50兆円の国債をすることも神谷さんたちは認めるんですかね?」

【参政党・神谷代表】「消費税に関しては大体今30兆ぐらいということで考えています。消費税の減税をするのであれば、まず5年間限定で150兆の国債を出してやってみようという5年間限定のプランを我々考えています」

■『金利を気にしたら経済がシュリンクする』という神谷代表に橋下氏は

【橋下徹氏】「150兆出すんですよ。神谷さんたちは出すって言ってるんだけど、今長期金利が上がってもこれで出すんですね?」

【参政党・神谷代表】「はい。金利云々でやってると、もうどんどん経済がシュリンクしていってしまえば、結局税収減るので。ここはリスクを取ってでもやるべきだ」

【橋下徹氏】「国際市場の金利がもしもマーケットで上がっても(国債を)刷り続けるということですか?」

【参政党・神谷代表】「ある程度年間計画を立てて、年次的にやっていけばいけると思います。コロナのときも、実際100兆円以上出してるわけですね。けどあのときはですね、そういう金利がどうこうっていう議論はなく、一気にやったと思います」

【橋下徹氏】「経済学的に非常に問題なのは、コロナの時に100兆円国債発行したんですけど、あの時は長期金利が上がらなかったんですよ。今、長期金利が上がってるんです。もう3%ぐらいなってるんですよ。長期金利で。神谷さんは金利のことを考えないって言いましたけど、大変なことが起きますよ。これ金利が上がってしまったら、企業はお金借りられない。住宅ローンも上がってしまう。神谷さんは金利を気にせずに国債をするっていうんですけども、『金利を気にしたら経済がシュリンクする』と。逆逆!金利がこれ5%なんかなったら、大変なことになる!」

■「金利3%をそんな軽く見てるのは僕はちょっと政治としては危ない」と橋下氏

【参政党・神谷代表】「もちろんマーケットを見ながらですけど、でも1回方針を示さないと、『示さない』と言われる。示すと今度は『金利が上がる』と言われる。だから、この議論ずっとやってると何もできなくなってしまって財政出動できないし、減税もできないので、とにかく、そういったいろんなマイナスの要素もあるかもしれないけれども、1回ここはですね、減税を大幅にやるんだと。

それが例えばですね、いきなりじゃ0は無理だとしても5%だったら半分になりますね。減税幅が、財源のマイナスがですね。そういったことも参政党だけで(消費税を)0にするって言ってもできないわけですから、そこは多分他の党との交渉しながら3%だったら飲めるよと(いったことを交渉したい)」

【橋下徹氏】「金利3%をそんな軽く見てるのは僕はちょっと政治としては危ないなと思いますよ。金融政策をやってる人達はインフレ上昇率が2%で抑えよう、インフレターゲットでやってる。これが3%これをもっと(国債を)刷って4%5%でもいいなんてこと言ったら、これは日本経済崩壊してしまうと思いますね」

【参政党・神谷代表】「方向性を示す中で、我々単独では物事進められないので、今の数だとどうしても。だからやっぱり野党等や政府との交渉が必要ですから。ただ方向性も示さずですね、だめだだめだと言っても言えないと」

■「金利は何パーセントまで許容するのか?」橋下氏

【橋下徹氏】「ただねやっぱ神谷さん責任政党となるから、もう1回確認させて。本当重要だから。金利については神谷さん何%までは許容するんですか?これものすごい重要なことだから」

【参政党・神谷代表】「別に何%とかっていうことは考えていなくて、やっぱり経済が混乱してはいけないし、それこそ橋下さんがさっきおっしゃったみたいに倒産が相次ぐとかですね金融不安を呼ぶとか、これ、トランプさんもそうですよね?トランプ関税とかでやっぱり混乱しそうだと、ちょっと期間を置いたりして市場と対話しながら政策で進めていくじゃないですか。だからやっぱりそれっていうのは何%って先にね、数字ありきでやってしまうとそれが独り歩きするから、市場と対話しながらやっていく。かといって、リスクがあるからやらないって言い出すと何もできないので、少しずつ市場を見ながら進めていくことが大事だと」

このことについて「非常に危険」と橋下氏は指摘しました。

【橋下徹氏】「これは僕は非常に危険だと思いますけれどもね。(金利が)3%4%を超えてくると、これは今の日本の状況だったら危ないなっていうことが大体金融の、これはほぼ共通認識です。だから、市場を見ながらやるっていうのは賛成なんですけども、その認識で『市場主導、対話対話』っていうのは僕は危険だと思っています」

関西テレビ
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