自民党が今回の選挙戦、石破総理が勝敗ラインに掲げた「与党過半数の確保」には届かないという結果になりました。
そんな中で、自民党・大阪府連会長の青山繁晴参議院議員は選挙期間中、石破総理を公然と批判し、政権への不満を隠しませんでした。
国民からも、そして党の内部からも厳しい評価をつきつけられた石破総理に対し、青山議員はズバリ、「お辞めにならないのであれば、辞めていただきます」と求める意向を明かしました。
■参院選は厳しい結果も石破総理は続投表明…
厳しい結果となった選挙から一夜明け21日、会見に臨んだ石破総理は…
【自民党総裁 石破茂総理】「政治には一刻の停滞も許されない。比較第一党としての責任、そして、国家、国民の皆様方に対する責任を果たしていかねばならない」
勝敗ラインであった自公で50議席に届かず、改選52議席から39議席へと大幅に議席を減らしました。
■大激戦「大阪選挙区」
その中で激戦となった大阪選挙区。
【自民党 柳本顕氏】「私、柳本顕も、まさに”ニュー柳本”として今回の戦いに臨んでまいります」
自民党新人の柳本顕さんは、”反維新”よりも「所得を上げる政策」を訴えましたが…
【自民党 柳本顕氏】「19名の候補者が乱立するという厳しい戦いではありましたが,、自分自身の至らなさ、責任を痛感しております」
■「総理が国民を脅してどうする」選挙中、石破総理を批判
その柳本さんを支えた大阪府連会長・青山繁晴参議院議員、選挙中には、党のトップである石破総理をズバリと批判!
【大阪府連会長 青山繁晴参議院議員】「石破総理がしきりに社会保障の財源になっているから(消費税は)下げられないという、総理が国民を脅してどうする、間違いだ!石破総理あなたは間違っている!」
その3日前には、石破総理も大阪入りしていましたがそこに、青山さんの姿はありませんでした。
■自民党の未来は
自身のSNSではその理由について…
【YouTube「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」】「ここまで自由民主党の本来の支持層が、例えば柳本顕さんに本来入れたくても、そのうしろにああいう石破政権の政策あるならいれたくなくなる」
石破政権に厳しい評価を突きつける青山さんは自民党の未来をどう見ているのか、ズバリ聞きました。
■自民が議席を落とすという結果となった参院選に「私の責任です」と青山氏
大阪選挙区では、維新が2議席、参政、公明が議席を獲得し、自民が議席を落とすという結果になりました。
【青山繁晴参院議員】「大差ですし、維新は2人入っていて、建前じゃなくて全部私の責任です。柳本顕さんは本当に脱皮しましたし、すごくまともな人、誠実な人ってもよく伝わったんで。私の責任です」
今回の参院選の敗北を受け、自民党・大阪府連会長からの辞意を表明した青山氏は「石破さんと対照的です」と、自身の決断について語ると、石破総理を厳しく批判しました。
【青山繁晴参院議員】「総理と府連会長じゃ、重みは全然違いますけれども主権者の意思をちゃんと酌んで、出処進退を明らかにするっていうのは、 与野党問わず、政治に携わる者の責任なので。石破さんの会見はおかしいと思います」
■共同・太田氏も驚き「大差で終わったのは意外」
共同通信社編集委員の太田昌克氏は、大阪の結果を次のように振り返りました。
【共同通信社編集委員 太田昌克氏】「自民党本部も満を持して、太田房江さんの件もあって野球で言ったら6回7回までゲームがいって負けてたんですね。そこで関西で抜群の知名度を誇る青山さんをあえて自民党大阪府連に送り込んで、逆転を狙ったわけなんだけど、大差で終わったっていうのは私正直意外でした。驚きました」
【青山繁晴参院議員】「送り込まれたといいますか。府連の方からどうしてもと言われまして。党本部の意思はわからないですけど。私はしがらみがないので、大阪府連のドロドロの海の状態、人間関係も複雑になってる。『しがらみがない人』ということだったんだと思います。党本部は後で追認しただけです」
■石破総理の応援に「反対」「来阪に条件」明かす
選挙期間中の石破総理を公然と批判していた青山さんは、選挙応援については、「2つの条件」をつけていたことを明かしました。
【青山繁晴参院議員】「石破総理と僕は安全保障を軸として、長い付き合いですけれども、大阪に行きたいって話は公示前からありました。その段階で当時はまだ水面下ですけど私は反対をして、『票が減りますと』。一旦、沙汰止みになったら、突如終盤戦で入るってことになったんで、改めて党本部と交渉をして、党経由、官邸とも交渉して2つ条件がありますと。
1つは府連会長の私が反対だってことを国民にわかるようにはっきり言いますと。もう1つは柳本顕候補が総理の横でも、ご自分の考えの政策を自由に言える。その2つを飲んでくれるんだったら受け入れはします。 でも私は同行はしません。これも 条件ですと申し上げました。それで、全部党本部も総理官邸も受けたので総理はお見えになった。柳本さんは総理の横で、『減税に取り組む』と。総理と全く違うことをおっしゃったので、実はあそこから潮目は変わったんですよ。変わったけども間に合わなかった」
■石破総理には「辞めていただくしかありません」
自民党内からは「辞めないのであれば引きずり下ろすしかない」という声もあります。
【青山繁晴参院議員】「去年の秋に総選挙負けた時に、正式な両院議員懇談会があった。その時に私は総理の目の前にいて、長い付き合いもあるから、総理の目を見て『自ら身を処すべきです』と。つまり石破おろしとか権力闘争やるんじゃなくて、『総選挙で負けた民意があるんだから留まってはいけません』という趣旨のことを申し上げたんですけど、総理は目をそらされたんですけど。今回は自ら身を処すとかの段階じゃなくて、辞めていただくしかありません。自由民主党内部の動きとして」
さらに石破総理について、フリップに『解任的辞任』と記した青山氏。その真意をこのように説明しました。
【青山繁晴参院議員】「自ら辞めるべきなんですよ。あえて『解任的辞任』って書いたのは自ら辞めるべきなんですよ。日本の仕組みは上に天皇陛下がいらっしゃるので、総理は誰かに引っ張られたりするんじゃなくて、自ら身を処すべきなんです。でも秋の総選挙の後になさらなかったから。解任ではないです。解任って仕組みはないから、”解任的”。『お辞めにならないのであれば辞めていただきます』ってことを今後、両院議員総会などを通じてやっていくしかないです」
■「石破おろし」ではない「総裁選やるべき 僕は敗軍の将 総裁選は改めて考えないと」
さらに、「石破おろしではありません。ルールにのっとって、手続きを踏んで(辞任してもらう)。権力闘争でやるのは違います」と改めて説明した青山氏。
【青山繁晴参院議員】「権力のために自由民主党があるんではなくて、普通の国民のためにあるんですから。建前じゃなくて。本音として」
(Q.総裁選をやるべき?)
【青山繁晴参院議員】「両院議員総会だけで総裁を決めるんではなくて。(両院議員総会には)党員は入れないですよね」
こう述べて、総裁選をやるべきだと主張しました。
そして自身が総裁選に出る可能性はあるのか?と問われると「今、僕は府連会長を辞意表明しました。敗軍の将ですね。それを決着つけないと総裁選は改めて考えないといけません」と述べました。
■青山氏が参院選で感じたという「石破総理への憎悪」
共同通信の太田氏によると、現職の閣僚は『今回の総選挙は、けじめの付け方によっては『自民党の終わりの始まり』になるかもしれない』と話していたといい、太田氏自身も「解党的出直しが必要」と指摘しました。
【共同通信 太田氏】「(石破総理に求められているのは)『政治負債の解消』やはり『政治と金』ですよ。今日の総理の記者会見を聞いていても何にも新しいスタート、どこにスタート地点あるの? どうやってやり直すの?全くないんです。政治と金の話もだんまりですよね。いくら給付の話をしても国民には響かない。解党的出直しが求められてると思いますね」
この指摘に「異論はない」としつつ、青山氏は「自民党の中から変えることにこだわる理由」を明かしました。
【青山繁晴参院議員】「自由民主党の中から変えることにこだわっているのは、敗戦後80年ですけど、そのうち70年が自由民主党なんですよね。日本国のいいところも悪いところも全部実は内部に詰まっているんで。ポンと(新しい党を)作ると、なかったことになるんで。全部引き受けなきゃいけない」
また、参院選で感じたのは「憎悪」だったとういう青山氏。
【青山繁晴参院議員】「柳本さんと熱中症になりながら選挙戦を回る中で、感じたのは憎しみなんですよね。石破総理が気に入らないとか、嫌いという段階ではなく、憎悪ですよ。これは主権者のほうが正しいと思う。
人に憎しみを持つのは本来よくないことだけど、『何で総選挙で答え出しても辞めないの?何で言うことも変わらないの?あなた元々言ってたことやってないじゃないの?』普通の話じゃないですか。
自由民主党もへったくれもない。支持者もどうもない。健全な常識と違うから、総理はもう一度お考えになるべきです。会見をやったからといって、総理を続けなければならないということではないですから」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月21日放送)