伊東市の田久保眞紀 市長が市の広報誌などに大学卒業と記載しながら実際は除籍となっていた問題で、7月7日、同市の市議会は田久保市長に対する辞職勧告決議案を可決しました。
伊東市の田久保眞紀 市長をめぐっては市が発行した最新の広報誌や報道機関が依頼した経歴調査票に「東洋大学法学部卒業」と記されている一方、市長は7月2日に開いた記者会見で実際には除籍されていたことを明らかにしています。
こうした中、同市の市議会では7日、田久保市長に対する辞職勧告決議案が提出されました。
辞職勧告決議案では「無責任かつ卑劣な人物が市長であり続けることを市議会としては到底容認できるものではない」としていて、採決の結果、全会一致で可決されました。
また、7日の本会議では強い調査権限のある百条委員会の設置案についても採決が行われ、こちらも全会一致で可決しています。
一方、田久保市長はこれまで辞職を否定した上で、3日には「伊東市はこれから忙しい夏を迎える中、すぐに辞めることは市政に一層の混乱をもたらすので、とにかくいまは一生懸命1票投じてくれた方の期待に応え、しっかり日々の業務をこなして、今年の夏をきちんと乗り切りたい」と続投に強い意欲をにじませました。
ただ、伊東市役所には2日の会見以降、苦情の電話やメールが殺到するなど混乱が続いていて、伊東市職員労働組合連合会は7日、「職員の中にも動揺は広がり、不安を抱えたまま業務を遂行している状況です。特に秘書広報課など問い合わせや苦情を受け付ける部署の職員は通常業務が遂行できず疲弊しきっており、精神的な負担は計り知れません」とした上で「これ以上行政運営と職員の士気を停滞させないためにも、田久保市長には事の重大さを受け止め、市民をはじめ、職員に対しても速やかに謝罪することを求めます。その上で、納得のいく説明と自ら招いた責任の所在をどう取られるのか、速やかに明確にすることを求めます」と記した要請書を田久保市長に手渡しています。
田久保市長は7日午後3時から記者会見する予定でしたが、同日朝になって応じられない意向を明らかにしました。