28人が犠牲となった静岡県熱海市伊豆山の土石流災害から7月3日で4年です。遺族や被災者は犠牲者を悼み、市長は早い復興を誓いました。
午前9時から行われた追悼式には行政関係者や遺族など約60人が出席し、斉藤栄 市長は「将来に向け安心して過ごせるよう歩んでいきます」と述べました。
熱海市・斉藤栄 市長:
被災者、すでに帰還された方の意見をしっかり聞き、復旧復興の完了を1日でも早く進めることが最も大切な我々の使命
大切な人を失った遺族にとって月日が流れても心の傷が癒えることはありません。
娘を亡くした小磯洋子さん:
心の復興なんてありません。きのう起きたのとまだ同じ気持ちでいます
土石流災害では関連死を含め28人が命を落としたほか、98棟の住宅が被害を受け、582人が避難生活を余儀なくされました。
あれから4年復興に向け道路や公園整備、河川の改良事業が進められていて完了予定は2026年度末ですが、一部の地権者の理解が得られておらず先行きは不透明です。
また、甚大な被害の原因となった違法な盛り土について土地所有者に対する警察の捜査や民事裁判が続けられています。
被災者のひとり、田中公一さんはいま伊豆山の別の場所で暮らしています。
土石流災害で妻を失った田中さんは6月、妻と過ごした住宅の跡地で花の手入れをしていました。
妻を亡くした田中公一さん:
復興に関してはもどかしい。4年経っているのにこれだけかと。自分の方のすることはもう4年経ってしまった。まだ道半ばも行かない
7月3日は地域住民は土石流発生の一報が入った午前10時28分に黙とうを行い、犠牲者を悼みました。
伊豆山では21世帯43人が避難生活を続けていて、復興も捜査も急がれます。