京都府宇治市は、市立保育所で50代の女性保育士が、給食のときなどに強い口調を交えて「飲み込んで」「泣かんとごっくんし」「泣いてもあかん」などと言い続けたり、子供に大声を出したりしたことが心理的虐待に当たるとしたほか、不適切な保育があったとして、この女性保育士をきょう=3日付で減給10分の1・1カ月の懲戒処分としました。

■強い口調も交え「泣かんとごっくんし」などと言い続ける「心理的虐待」

処分を受けたのは、市立保育所で1歳児クラスを担当する50代の女性保育士です。

宇治市によると、女性保育士は去年夏ごろから、ことし2月にかけて、給食時などに泣いて食べ渋る子供に対して、強い口調も交えながら、「飲み込んで」「泣かんとごっくんし」「泣いてもあかん」などと言い続けたり、子供に大声を出すなどの行為を繰り返しました。

この行為について宇治市は心理的虐待と認定しています。

また女性保育士の次の行為について、「不適切保育(虐待等と疑われる事案)」と認定しました。

・保育中に泣き止まない子供を廊下に連れ出し、少し離れた場所で子供の様子を見ながら、しばらくの間子供を戸外で1人でいさせる。

・特定の子供2人に対して、特に厳しい言葉がけや対応を繰り返す。

・去年夏ごろ、泣いている子供の腕を引っ張って立ち上がらせようとして、子供が引きずられるように椅子から転んだ。

■女性保育士を減給10分の1・1カ月の懲戒処分

宇治市はこの女性保育士をきょう=3日付で減給10分の1・1カ月の懲戒処分としました。

女性保育士は「危ない場面において、大きな声を出してしまった」「強い言葉を出していた」という趣旨の反省の弁を述べているということです。

宇治市の松村淳子市長は、「この度、宇治市立保育所において心理的虐待、不適切保育が行われていたことにつきまして、園児や保護者等の皆様をはじめ、市民の皆様に深くお詫び申し上げます。
保育所における虐待や不適切保育については、子どもの健全な成長に与える影響も極めて甚大であることから絶対に許されるものではなく、また、今回の事案により、本市の保育行政に対する信頼を著しく失墜させる事態となってしまったことについては、大変重く受け止めております。
今後、再発防止に全力を尽くすとともに、すべての職員に対し、改めて綱紀の粛正を徹底し、市民の皆様の信頼回復に取り組んでまいります」とコメントしています。

関西テレビ
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