参院選富山選挙区、自民現職に4人の新人が挑む構図

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参院選富山選挙区では自民党現職に対して4人の新人が挑む構図となった。野党の候補者一本化は実現せず、国民民主党、共産党、参政党の新人候補が自民の現職に挑んでいる。今回の選挙は事実上の政権選択選挙と位置づけられており、その結果が今後の政治情勢に大きな影響を与える可能性がある。

事実上の政権選択選挙の意味

昨年秋の衆院選で自民党が歴史的な大敗を喫し、少数与党となった政治状況において、今回の参院選の結果は極めて重要な意味を持つ。もし自民・公明の与党が過半数を下回れば、政権交代が現実味を帯びてくる。具体的には、今回争われる125議席のうち、与党が50議席を上回るかどうかが焦点となる。

その中でも富山選挙区のような改選数1の「一人区」の結果が、選挙全体の勝敗を左右することになる。一人区では与党候補か野党候補のどちらが当選するかによって、国政の行方が大きく変わる可能性がある。

物価高対策が最大の争点に

今回の参院選では、物価高対策が最大の争点となっている。特に現金給付や消費税減税についての各党の公約が有権者の関心を集めている。

自民・公明は国民1人あたり2万円を給付し、子どもや住民税非課税世帯の大人にはさらに2万円を加算する方針を示している。一方、れいわ新選組と参政党は独自の給付案を掲げており、参政党は15歳までの子ども1人につき月10万円の教育給付金を支給するという案を提示している。

消費税については、自民・公明以外の政党は軒並み減税を公約に掲げている。国民民主党は実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税を一律5%にするとし、共産党は消費税廃止を目指してまずは5%に引き下げるとしている。参政党も段階的な引き下げを主張している。

「政治とカネ」も重要な争点に

BBTなどが公示前に実施した情勢調査によると、投票先を決める際に重視する政策や課題として、「物価高・賃上げ・経済対策」が最も多く、次いで「年金・医療・介護」、そして「政治とカネ」の問題が挙げられている。

特に「政治とカネ」については、昨年秋の衆院選の最大の争点となり、その後の通常国会でも企業・団体献金のあり方を巡る議論が注目された。しかし、自民党が提出した透明性を高めるとする法案と、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが共同で提出した全面禁止とする法案はどちらも採決が見送られ、継続審議となっている。この問題は引き続き大きな争点の一つとなっている。

投票率の行方に注目

前回3年前の参院選では、自民党の現職に5人の新人が挑む構図で、投票率は過去4番目に低い51.37%にとどまった。今回は最大の争点が物価高対策という暮らしに直結する問題であるため、有権者の関心は高いと考えられる。しかし一方で、政治不信や政治離れから投票率の低下を懸念する声も聞かれる。

事実上の政権選択選挙と位置づけられる今回の参院選。有権者も候補者の主張に耳を傾け、1票を投じることが期待される。

富山テレビ
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