宮城県石巻市で、東日本大震災直後に被災者の受け入れも行ったサービス付き高齢者住宅の運営会社が仙台地裁から破産手続き開始決定を受けました。

帝国データバンクによりますと、株式会社エムティシーは2009年に設立。2011年2月にサービス付き高齢者住宅を竣工し、直後の東日本大震災では被災者を受け入れました。

2012年2月に石巻市で初となるサービス付き高齢者住宅「華心」を開業し、2024年9月期には約4000万円の年間収入、約400万円の当期純利益を計上しました。

しかし、東日本大震災による多額の修繕費用など、当初から収益性に問題を抱えていたほか、復興住宅の建設や市内での介護施設開設が相次いだことで稼働率が低下。過年度の赤字で債務超過に陥っており、業績回復の見通しが立たないことから事業継続を断念し、2025年4月28日付で事後処理を弁護士に一任していました。

また、関係会社の有限会社タカラ印鋪は1979年に設立された印章業者で、地元企業を中心に印章の製造販売を手がけていましたが、地元企業の業績不振や電子印鑑の普及により需要が低迷し、2025年3月20日付で事後処理を弁護士に一任していました。

負債は株式会社エムティシーが債権者16人に対し約3億2600万円、有限会社タカラ印鋪が債権者12人に対し約1000万円です。運営していたサービス付き高齢者住宅は入居者向けに7月から9月まで一般マンションとして賃貸されます。

仙台放送
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