高知県で1年間に生まれた赤ちゃんの数・出生数は、1975年には1万人を超えていましたが、その後、減少し、2016年には5000人を下回りました。2024年1年間の速報値では3233人と過去最少を更新。少子化に歯止めがかかりません。
「子どもを産みたい!」と思える環境をつくろうと香南市の助産院が今年の夏、宿泊型の産後ケア施設に生まれ変わります。
お母さんたち:「かわいい、おしゃべりしそうやね」
香南市にある「ゆいま~る」。助産師が各家庭に出向いて育児相談などを行う訪問型の助産院ですが、今年の夏、赤ちゃんとその家族が宿泊できる産後ケア施設に変わります。
3月25日内覧会が開かれ、赤ちゃんとお母さんが招かれました。
西村さん:「西村瑚羽です」
高嶋さん:「瑚羽ちゃん」
西村さん:「お姉ちゃんが2歳なんですけど(お産の時に)取り上げてくださって」
ゆいま~るの代表は助産師の高嶋愛希さん。かつてお産を担当した西村瑞花さんとおよそ3年ぶりに再会しました。
高嶋さん:「やだ~懐かしい」
西村瑞花さん:「(コロナ禍で)面会がだめになっちゃって」
高嶋さん:「当時は妊婦検診も来られない。立ち会いもできない。産後も会えない。それで急に家に帰らないといけないっていう中だったから」
高知市出身の高嶋さんは助産師だった母の姿を見て2013年に同じ道へ。高知医療センターをはじめ北海道や沖縄など全国10カ所の病院でキャリアを積み2021年、香南市に訪問型助産院ゆいま~るを開設しました。
高嶋愛希さん:
「おうち帰ってどんなしてるかな、大丈夫かなって思いながら退院を見送ることもあったりとかして。サポートがいなくてどうしたらいいか分からなかったけど、その時に誰に頼っていいか分からなかったっていう声も結構聞くことがあって」
育児に不安を抱えたお母さんたちに寄り添いたいと今回、自宅を宿泊型の産後ケア施設に改修。
お母さん同士が交流できる共有スペースのほか相談室や、寝具付きの個室が2部屋あり、子どもが1歳になるまで何度でも利用可能です。訪問型から宿泊型にすることで赤ちゃんの夜泣きに対するケアやサポートもできるようになります。
0歳児の母・西村瑞花さん:
「産後はメンタル的にも落ち込むことも多いですし、家だと家事しないととか思ってしまうので、そういうのを忘れられて自分の時間をゆっくり取れるすてきな場所だと思う」
県内ではここ数年、少子化と医師不足によりお産ができる病院が減少。その結果、1つの病院で多くのお産が行われ、回転率を上げるために産後の母子が入院できる期間が短くなり、3日で退院するケースもあります。
だからこそ高嶋さんは宿泊型で24時間サポートできる施設が必要と考えたのです。
0歳児の母・山本きらりさん:
「成長を見てもらったりとか、一緒にかわいいねとか共有してもらえるだけでもありがたいと思うので、孤独を感じているお母さんとかの味方に、支えになる場所に愛希さんやったらなると思う」
高嶋愛希さん:
「またおうちに帰って育児に向き合わなきゃいけなくて大変なことがあると思うんですけど、この(ゆいま~るでの)時間があったから頑張れるって思える場所になれたら」
ゆいま~るはまずは4月4月、通所型の産後ケアを始め今年の夏ごろに宿泊施設として母子の受け入れを始める予定です。
高知県の少子化について高嶋さんは「子育てが楽しい」「また産みたい」と思える地域を広げることが大切だと話していたのが印象的でした。
ゆいま~るでは3月末まで備品の購入費用などをクラウドファンディングで募っています。目標額は250万円です。詳しくは、専用ホームページをご覧ください。
検索:助産院ゆいま~る
(高知さんさんテレビ)