札幌市厚別区に住む80代の女性が、警察官や検察官を名乗る男らから10日間にわたり詐欺の予兆電話を繰り返し受けたうえ、連絡用とみられる携帯電話を送りつけられていたことがわかりました。
警察によりますと6月20日、女性宅の固定電話に「2時間以内にこの電話が使えなくなる」等と案内する音声ガイダンスの電話があり、案内されたフリーダイヤルにかけ直すと、携帯電話会社社員を名乗る男が「兵庫県で携帯電話を買ったことがあるか?」と尋ね、「買ったことになっている。詐欺の疑いがある」などと告げられました。
その後、警察官や検察官を名乗る男からも連日電話があり、「マネーロンダリンググループの人間を逮捕し、 4200人分の名義の使用を確認した」「あなたは事件に関与している」「協力しないと強制捜査する」などと脅されました。
さらに女性宅にレターパックでスマートフォンが届き、以降はその端末を用いたビデオ通話で警察官や検察官を名乗る男とのやり取りが始まりました。
男らは女性の口座の番号や残高、家族構成などを聞き出したいうことです。
不審に思った女性が29日に娘と一緒に警察署を訪れ、「詐欺被害に遭いそうだった。携帯電話が送られてきた」と相談し、詐欺被害に遭いかけたことがわかりました。
警察は、捜査の一環として携帯電話機を送ることはないと注意を呼びかけ、特殊詐欺グループによる被害者をだます新しい手口とみて、発信元や背後関係を詳しく調べる方針です。