国土交通省が24日、荷物を玄関先などに置く「置き配」を、宅配の標準とする新ルールを検討すると表明した。
宅配便の再配達率は約8.4％で、ドライバー不足や長時間労働の一因となっている。
再配達率約8.4％…ドライバー不足などが課題に
今や生活に欠かせない宅配サービスだが、一方である新ルールが検討されている事が話題になっている。
テーマは「置き配が標準に？でもトラブルは…ソレってどうなの」だ。
国土交通省が検討している宅配の新ルールでは、在宅・不在に関わらず、商品を手渡ししない「置き配」を標準とする方針だ。
今週中に有識者検討会を立ち上げ、基本ルールの見直しを含め検討する。
中野国交相は24日、その理由についてこう話している。
中野洋昌国交相：
2025年4月の宅配便の再配達率は約8.4％。再配達率6％の実現に向けて、再配達の削減に向けたさらなる取り組みが必要になってくる。
再配達は、ドライバー不足や長時間労働などの課題を引き起こしている。国は2025年3月までに再配達率を6％に減らすことを目指していたが、達成できていない。
再配達が宅配ドライバーに負担となっている現状は、去年4月に青井 実キャスターも取材していた。
ケイズリング・相馬大祐さん：
不在が多いのが、一番キツいですかね。
ケイズリング・相馬大祐さん：
不在が多くなるとその分荷台が空かないので、ずっと不在の荷物を積んでいないといけない。
青井実キャスター：
1日何件くらいですか？ご不在というのは。
ケイズリング・相馬大祐さん：
30件から50件くらいの間ですね。
当時、1日の配達の3分の1ほどが再配達になっていた。今回の「置き配が標準」となる案についてケイズリングに伺うと、こんな答えが返ってきた。
ケイズリング：
1日の2割ほどが不在で再配達になり、お金にならずにガソリン代だけ取られるので、それが解消される喜びはあります。
国交省は置き配を標準とした場合、手渡しには追加料金が掛かるような仕組みを検討するという。
街の皆さんは、置き配が標準となることをどう受け止めているのか聞いてみた。
40代：
基本置き配にしています。お互い良くないですか？時間過ぎても置いといてもらえば楽だし。
70代：
手渡しのほうが安心感はあるけど、置き配で今のところトラブルはないからそれはそれでいいかな。
50代：
食品だったりすると暑いときに心配。受け取れるものは、直接受け取ったほうが安心。
60代：
留守が多いので、最寄りのスーパーのロッカーに入れてもらって、自分の好きなときに取りに行く。（だけど）大事なものとかは、お金が掛かっても手渡しの方がいい。
置き配普及で鍵付きボックス需要増
イット！のスタジオでは…
青井キャスター：
石田さん、どう考えますか？
SPキャスター石田健さん：
基本的には、僕も良いと思いますね。食品のケースだったり、貴重品だったり、そういったものに関しては置き配側の仕組みで解消すればいいと思います。運送業界は、結構多重でなかなか交渉力が弱いので、その分の費用を消費者側がうまく負担していく仕組みが大事ですよね。
青井キャスター：
ただ一方で、置き配によるトラブルも少なくないようです。
50代：
違う人の荷物が（置き配で）届いていた。
40代：
盗まれたら嫌。そこが気にはなる。
30代：
置き配がスタンダードになると、防犯が大丈夫なのかはあるかも。
そんな大事な荷物を守るための対策として有効なのが、宅配ボックスだ。
取材班：
東京・青梅市のホームセンター・カインズ青梅インター店の入ってすぐのところに、宅配ボックスコーナーが設置されています。
青井キャスター：
置き配の利用者が増える中、宅配ボックスは売れ行きも伸びていると言います。売れ筋はどんなものなのでしょうか。
カインズ青梅インター店・岩本加奈さん：
人気の商品は、2段宅配ボックス。値段も安くて、南京錠をつけて防犯する商品です。
青井キャスター：
置き配を利用する時だけ出せる、折りたたみ式も人気だと言います。
カインズ 青梅インター店・岩本加奈さん：
折りたたみだとドアノブでもどこか柱になるものがあれば、チェーンと南京錠をつなげておけば防犯上も安心です。
青井キャスター：
集合住宅などでは設置場所が共有スペースの場合があるので、管理会社などに相談した上で設置する事が大事です。一方、再配達そのものを減らそうとするメーカーもあります。オートロックのマンションなどで、エントランスから中に入れず持ち帰りになってしまう問題に対し、宅配ボックスメーカー「日本宅配システム」は、宅配業者だけがオートロックを解除できるシステムを作りました。実証実験では、トラブルもなかったと言います。
国交省の有識者検討会は、様々な課題を検討し、2025年秋頃までに「標準は置き配」の方向性をとりまとめる予定だ。
（「イット！」6月24日放送より）
