戦後80年となる2025年、KTSでは様々な視点で戦争についてお伝えしていますが、こちらは22日、鹿児島県南さつま市の義務教育学校で開かれた学園祭の様子です。

5月、特攻隊員の遺族が行った平和学習などをもとに、生徒たちがその成果を発表しました。

生徒たちが感じたこと、そして気付いたことは何だったのでしょうか。

5月26日、南さつま市の小中一貫校、坊津学園で行われた平和学習。

語り部 高徳えりこさん(神奈川)
「(特攻は)パイロットを爆弾を抱えた戦闘機もろとも敵艦船に体当たりさせる、そういった作戦でした」

5年生から9年生の子どもたちに語りかけるのは、神奈川県の語り部、高徳えりこさんです。

太平洋戦争末期、南さつま市の万世飛行場から飛び立った少年兵・高橋峯好伍長は高徳さんの伯父にあたります。

8年前から語り部をしている高徳さんは、伯父が出撃した南さつま市の地で、子どもたちに語りかけました。

語り部 高徳えりこさん(神奈川)
「峯好おじさんが戦争で亡くなったことが悔しいし、すごく悲しい。本当にこういうことが二度と起こってほしくないという気持ちで次世代の皆さんに話を続けています」

この平和学習から約1カ月、22日の学園祭では高徳さんから学んだこと、そして、修学旅行で訪れた長崎で学んだ原爆のことを生徒たちは劇で表現しました。

「サダちゃんは(被ばくによる白血病で)長くてあと1年しか生きられないと思います」
「そんな、サダはまだ12歳なんですよ!」
「折りヅルって千羽折れば願いがかなうんだよ」
「そうなの?早く病気が治るようにツルを折ってみようかな」
「サダちゃん、サダちゃん!」

(ナレーター)
「サダちゃんは中学校に通うことなく、千羽のツルを折り終えることもできないまま眠るようにこの世を去りました」

全員
「これは私たちの叫びです。これは私たちの祈りです。世界に平和を築くための・・・」

そして、ステージには高徳さんの平和学習で見た特攻隊員の写真が映し出されました。

女子生徒
「皆さんはこの写真を見たことはありますか。彼らは少年特攻隊員。南さつま市万世から出撃しました。それから80年」
「戦争を歴史の中の出来事だけで終わらせず、平和を考えるきっかけにしてほしい、歴史は今に繋がっているのです。私たちは高徳さんの言葉を忘れず、平和について考え学び続けていきます」

坊津学園8年・清川泰雅さん(13)
「高徳さんの話の中に『歴史は今に繋がっている』という言葉があって、それが僕にとってとても印象に残ったので、みんなに言った方がいいと思ったので、高徳さんの話を学園祭に入れた」

高徳さんから学んだ生徒たちは、平和な歴史をつなごうと自分たちなりに考え、それをステージで表現していました。

坊津学園9年・大八木宗純さん(14)
「講話に耳を傾けたり、記念館を訪れて後輩に伝えることを繋げていけば、戦争について継承できるのでは」

鹿児島テレビ
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