大勢の警察官が出動したのは、走り屋の聖地。
横行する車の不正改造を一斉に取り締まったのです。
そこで聞こえてきたのは、違反者のあきれた言い訳でした。
車を不正改造した男性(59):
田舎もんが東京の方で(取り締まりに)つかまっちゃった。なーんだって車で音がしないといったら車じゃないよ。ましてや俺、茨城なの。茨城は遊ぶところがない。
21日、物々しい雰囲気に包まれたのは神奈川・横浜市にある大黒パーキングエリア。
神奈川県警高速隊と国交省などが合同で、不正改造車の一斉検査に乗り出しました。
走り屋の聖地として知られる大黒パーキングエリアは、週末になると夜な夜な改造車が集結。
爆音でエンジンをふかすなどの迷惑行為が問題となってきました。
さらに、周辺ではタイヤを横滑りさせながら走る、危険なドリフト走行が後を絶ちません。
一斉検査では、改造車の疑いのある車のマフラーの排気音や車高などが基準値を超えていないかチェックをします。
検査官に止められた1台のスポーツカー。
この車は、リアウィングの幅が広いなどの理由で不正改造車となりました。
車を不正改造した男性(21):
6月は強化月間ということを知ってて来た。嫌な予感はしてたんですけど、覚悟して潔く(取り締まりを)受けた。修正します。
こう語った男性は、エンジンを大きな音でふかしながら、その場をあとにしていきました。
一方、不正改造のシールが貼られた別の車。
ドライバーに直撃すると驚きの答えがありました。
車を不正改造した男性(59):
運が悪かったというか、(取り締まりに)つかまっちゃったよ。(Q.大黒PAにはどのくらい来る?)きょう初めてだよ、きょう初めて。運が悪いというかな…。たまにはこういうところに来て刺激をもらおうと思って来たが、刺激どころか罰金取られちゃったよ。
そんな検査場に止められた改造車の近くには、多くの外国人観光客の姿がありました。
ド派手なスポーツカーやキャラクターが描かれた痛車などが、ずらりと並ぶ大黒パーキングエリアには、車好きの外国人たちが殺到。
日本観光の目玉となっているといいます。
イギリスやフランス、スペイン、スウェーデンなどの観光客が詰めかけ、撮影に夢中になっていました。
オランダ人観光客:
素晴らしい車ばかりだよ、クレイジーでクール。キラキラしたスポーツカーはウケるよね。
オーストラリア人観光客:
大黒はとても有名です。車が好きな人間ならば、誰でも大黒PAに来たいと思っています。ここの日本車を見てみたいと思っている人たちがたくさんいるんだ。
外国人観光客向けのツアーには、富士山と並び大黒パーキングエリアが入るほどの人気ぶりだといいます。
オーストラリア人観光客:
ここに来るのが夢だったんだ!やっと夢がかなって信じられないよ。
多くの外国人観光客が詰めかける、大黒パーキングエリア。
しかし、一部の外国人がフェンスによじ登り、パーキングエリア内に侵入する危険行為が急増しています。
今回の一斉検査では、43台の不正改造車が見つかったということです。