アメリカ軍がイランの核施設を攻撃したことを受け、国連の安全保障理事会は22日、緊急会合を開催し、イランとイスラエルが互いを非難しました。
安保理の緊急会合はイランの要請で招集され、グテーレス事務総長は冒頭、アメリカの攻撃について「混乱に陥っている地域の危険を高めた」と指摘する一方で、イランに対してはNPT(核拡散防止条約)を尊重すべきだと語りました。
イランは「アメリカの政治史に新たな汚点が刻まれた」と非難し、「国際法の明白かつ甚だしい違反だ」と反発しました。
一方、イスラエルは「世界はアメリカとトランプ大統領に感謝すべきだ」と述べた上で、「イランのゴールは死と破壊だ」「交渉の場を隠れみのにし、その間ミサイル製造とウラン濃縮の時間稼ぎに使った」と非難しました。
一方、ロシアと中国の他、パキスタンはアメリカを非難し、即時かつ無条件の停戦と外交的解決の模索を求める安保理決議案を提案しました。
会合にはIAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長も出席し、アメリカ軍が攻撃したイラン中部フォルドゥの地下核施設がある場所の地表に「複数のクレーターが確認できる」と明らかにしましたが、地下の状況を確認できていないとし、「直ちに現地に入る用意がある」と現地調査の必要性について言及しました。
さらに、中部ナタンズとイスファハンの核施設への攻撃も確認したとし、イスファハンでは施設につながるトンネルの入り口が損傷したとの見方を示しました。
3つの核施設について「外部で放射線量の上昇はない」とイラン側から報告があったと述べました。