天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは中学3年の5月に修学旅行で広島を訪れ、原爆資料館を見学。その時の思いを卒業文集に綴っていました。
「焼け焦げた姿で亡くなっている子供が抱えていたお弁当箱、熱線や放射能による人体への被害、後遺症など様々な展示があった。これが実際に起きたことなのか、と私は目を疑った。平常心で見ることはできなかった」
その文章は「世界の平和を願って」という題でした。
ふと空を見上げた。雲ひとつない澄み切った空がそこにあった。家族に見守られ毎日学校でも学べること、友達が待っていてくれること…なんて幸せなんだろう…。ただこの意識が変わったのは中学3年の修学旅行で広島を訪れてから。原爆ドームは写真で見たことはあったが、この悲惨な状況を見て本当に衝撃を受けた。だからやはり平和を願わない人はいない。だから私たちはたびたび平和と口に出して言う。しかし世界の平和の実現は容易ではない。
両陛下がこの作文を読まれた後、2020年に国連事務次長の中満泉さんに「実はこういう文章を愛子が書いたんです」と文集のコピーを渡されたということです。
フジテレビ皇室担当解説委員の橋本寿史さんは、「両陛下は、平和の大切さというものが愛子さんに伝わって、家庭の中でもいろいろお話をされている。皇室の中でも若い人たちに戦争の悲惨さというものが語り継がれている。それが皇室のかたちになっている」と話しています。