1979年、鹿児島県大崎町の牛小屋で男性の遺体が見つかった大崎事件で、殺人罪などで服役して無実を訴え続ける原口アヤ子さんが15日、98歳の誕生日を迎えました。

15日は、静岡県一家4人殺害事件で、再審無罪が確定した袴田巌さんの姉、ひで子さんが支援者らと県内の入所施設を訪ね、原口さんを激励しました。

15日、98歳の誕生日を迎えたのは原口アヤ子さんです。

原口さんは、1979年に大崎町で義理の弟を殺害したなどとして、懲役10年の刑が確定し、服役しましたが、事件発生当初から46年間、無実を訴え続け、再審を求めています。

誕生日の15日は全国のえん罪被害者と支援者らがお祝いに駆けつけました。

原口さんの支援者
東住吉事件 冤罪被害者・青木惠子さん
「これは誕生日のプレゼント。(原口さんは)音に反応がいいから探しました」

大崎町在住の支援者・稲留淳子さん
「アヤ子さんに喜んでもらいたい」

原口さんは現在、県内の施設に入所していて、脳梗塞の後遺症で話すことはできませんが、約10年ぶりとなったこちらの女性との再会で、大きく目を見開き表情が変わりました。

袴田ひで子さん
「わかる?ひで子だよ」

静岡県一家4人殺害事件で再審無罪を勝ち取った袴田巌さんの姉、ひで子さんです。

ひで子さんは「無罪にあやかって」と、巌さんのトレードマークの帽子をプレゼントしました。

そしてみんなでバースデーソングを歌って98歳を祝いました。

静岡県一家4人殺害事件で再審無罪 袴田巌さんの姉・袴田秀子さん(92)
「前よりもアヤ子さんが元気なことがとてもうれしい。巌のこともあったから『無罪になったから頑張らにゃー』と『だからアヤ子さんも頑張って』とお願いした」

大崎事件をめぐっては、2025年、4回目の再審が最高裁に棄却され、現在、5回目の再審請求に向けて準備が進められています。

大崎事件弁護団・鴨志田祐美弁護士
「いつ申し立てということをまだお伝えできる段階ではないが、第4次が終わって、第5次(再審請求)となると、無罪を言い渡すべき明らかな証拠をまた新たに携えなければならない。弁護団は色んな研究者に話を聞いたり、精力的に水面下で動いています」

また、15日は再審法改正に向け機運を高めようと集会も行われました。

参加者らは、現在の再審法は証拠保全などのルールに曖昧な点があり、審理に時間もかかりすぎると訴えました。

鹿児島テレビ
鹿児島テレビ

鹿児島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。