東京・葛飾区で12日、日本初の「スマホ認知症外来」が開設した。長時間の利用が記憶障害を招く「スマホ認知症」が急増しており、予備軍は1000万人以上いる可能性があると医師は指摘する。スマホと距離を置くデジタルデトックスなどで、脳を休ませる対策が有効だという。
脳が大量の情報を処理できず…スマホ認知症に
梅雨入りした関東地方で束の間の晴れ間となった12日の午後2時過ぎ、東京・新橋駅前のSL広場を訪れた。

取材班:
待ち合わせでしょうか。立ち止まってスマートフォンを操作しています。
木陰で休む人も歩く人も、スマホを手にしている。
30代:
起きてる時間の8割(スマホを)触っていると思う。無い生活はイメージできない。
今では決して欠かすことの出来ない生活アイテムとなったスマートフォン。ついつい手にしがちだが、1日の利用時間はどのくらいなのだろうか。
取材班:
1日にどれぐらいスマホを操作していますか?
20代:
9時間31分ですね。SNSをとにかく見てます。9時間半のうち8時間ぐらいは本当にとにかくダラダラ触っていた。
10代:
7時間24分。SNSをずっと見てます。
中には、10時間超えの人までいる。そうしたスマホを手放せなくなっている人の間である疾患が急増しているという。

金町駅前脳神経内科・内野勝行院長:
ここ最近は、一気にスマホ認知症という症状が増えてます。
金町駅前脳神経内科では、12日、日本初の「スマホ認知症外来」を開設した。「スマホ認知症」とは、どのような症状が出る状態を指すのか。
金町駅前脳神経内科・内野勝行院長:
お仕事であれ何だっけ?と予定を完全に忘れたり、料理とか作ってて完全に途中の過程を忘れたり、ポンっと抜けちゃうイメージ。それが認知症に似てるので「スマホ認知症」。

引き金は、スマホなどのデジタル機器を長時間利用し続けること。それにより脳が処理しきれない程の大量の情報を受け取り、記憶障害など認知症に似た症状が一時的に発生するという。
金町駅前脳神経内科・内野勝行院長:
脳のオーバーワーク、オーバーヒートっていうか。きれいなゴミ屋敷みたいなもの。予備軍としては1000万人とか2000万人はいる可能性は十分にある。
デジタルデトックスや昼寝などで脳を休ませることが重要
自分が「スマホ認知症」になっていないか、8つのチェックリストがある。

「スマホはいつも手元にスタンバイ」
「知っている人の名前がすぐ出てこない」
「最近 漢字が書けなくなった」
「覚えておくために写真を撮る」
「スマホ以外で調べものをしない」
「いつも睡眠不足状態」
「やる気が起きず興味も湧かない」
「仕事や家事の段取りが悪くなった」
この中で、3つ以上当てはまる人は要注意だという。
50代:
調べ物はスマホ以外ではしない。昔は辞書とか使ってたけど。
10代:
言いたいことが、すぐに出てこない。なんだっけアノ名前みたいのがずっとあって、これ認知症だよねみたいに話してました。
20代;
スマホはいつも手元にスタンバイは本当にそうで、お風呂入るときも絶対手元にあります。

「スマホ認知症」の対策としては、スマホなどと距離を置く「デジタルデトックス」が有効だという。
加えて皿洗いやキャベツの千切りなどのリズミカルな家事や、短時間の昼寝やキャンプなどで脳を休ませることが重要だという。
(「イット!」6月12日放送より)