秋田県八峰町では生薬として使われるカミツレが収穫の時期を迎えています。製薬会社などに出荷されるとともに新たな商品が開発され、癒やしの香りが人気を集めています。
白い花びらの中心が黄色く膨らんでいる「カミツレ」。別名カモミールとよばれ、生薬などとして使われます。リンゴのような甘い香りが特徴です。
八峰町の畑ではいま、カミツレが盛んに収穫されています。
生産農家・小林瑞稀さん:
「サイズは大きくても小さくても良いが、上がロケットのような形にとがっているのを選んでいる」
収穫した花は温室で乾燥させます。
生産農家・小林瑞稀さん:
「香りがするのが花の頭だけなので、茎を取り除いている」
5日ほど乾燥させると水分が抜け、黄色の部分が濃くなります。乾燥させることで長持ちすることはもちろん、香りが増すんだとか。
八峰町は、2012年に東京生薬協会と協定を結んで以降、生薬を栽培して東京の製薬会社などに出荷しています。町は年に一度、説明会を開くなどして生産をサポートしていることから、いまは生産者の半数が20~30代です。
生産農家・小林瑞稀さん:
「八峰町で生薬を栽培しているのを知り、花が好きだったので栽培してみたいと思い参加した。八峰町の特産品としてたくさんの人に知ってもらい、興味を持ってもらえたらと思う」
また、新たな取り組みが始まりました。出荷の基準を満たさないカミツレを使って作ったカモミールティーの販売です。
カモミールティーはリラックス効果があるとされ、“癒やしの香り”が人気を集めています。
八峰町農林水産課・門脇朝哉副課長:
「町では特産品の売り込みに力を入れながら、同時に農家の生産量も増やしていくことを目指している」
カミツレは7月に出荷される予定です。