10日、福岡市の通称「国体道路」で起きた陥没事故です。
1日足らずの「超スピード復旧」で11日朝、通行止めが全面解除されました。
11日午前9時すぎの国体道路には、多くの車や福岡市民の足・西鉄バスがひっきりなしに行き交う日常の風景が広がっていました。
◆通行人
「もう埋まってるんですか?すごい。1週間ぐらいかかると思ってたけど、今見たらもう直っていてビックリしました」
「スピーディーで素晴らしいなと思いました」
陥没事故の発生からわずか一夜でのスピード復旧。
いったいどのようにして実現したのでしょうか?
◆記者リポート(10日)
「福岡市の中心を走る国体道路の路上に大きな穴が空いています」
10日午前10時前、突然、道路が陥没してできた縦4メートル、横2メートル、深さ2メートルほどの大きな穴。
福岡の街の中心部を貫く目抜き通りの「国体道路」が全面通行止めとなり、交通だけでなく周辺の飲食店などにも大きな影響が出ました。
◆目撃した男性
「穴の大きさを見たら、きれいに車1台落ちる穴の大きさだからぞっとした」
◆飲食店の店主
「ご予約のお客様には『ちょっと危ないかもしれないので営業を止めます』と連絡して、どのタイミングで復旧できるかを見ている」
緊急事態に高島市長も自ら現場に駆けつけました。
◆福岡市 高島宗一郎 市長
「通常の道路に戻して安全を確保するということを第一に、予算はいくらでもかけて、とにかく最速でやるように指示をしました」
そもそも、なぜ陥没が起きたんでしょうか?
付近では5月から、浸水対策のため雨水管を整備する工事が進められていました。
現場で行われていたのは、地下10メートルほどを通る本管まで雨水を流し込むために新たな管をつなぐ掘削工事。
しかし、この工事で出来たとみられる隙間から雨水管の内部に土砂が流れこみ、地中に空洞が生まれたことで陥没した可能性が高いとみられています。
そしてこの穴に即座に流し込まれたのが、水中でも固まる「流動化処理土」。
9年前の博多駅前の陥没事故でも使用された特殊なセメント系の土が、今回も投入されました。
◆記者リポート
「午前1時すぎです。陥没事故が発生してから15時間が過ぎましたが、ご覧のように道路には大きな穴が空いていて、懸命な作業が進められています」
高島市長の号令のもと、なによりも「スピード感」を重視して進められた復旧作業。
作業員たちは夜を徹して穴を埋め戻し、新たな道路を敷設する作業にあたりました。
そして、発生から約21時間が経過した11日午前7時前。
ついに全面復旧が完了し、国体道路の通行規制が解除されました。
◆福岡市 高島宗一郎 市長
「通勤ラッシュ、1番のピークの時間帯の前に終われたことは良かった。これもひとえに、工事関係者が頑張っていただいたおかげであります。お近くにお住まいの皆さん、そして働いている皆さん、また国体道路を利用されている皆さん方に大変ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたいと思います」
わずか一晩で復旧を遂げた国体道路の陥没。
市は詳しい原因の究明と再発防止に努めたいとしています。