刑法改正で6月1日から罪を犯した人への刑罰が、『懲役刑』や『禁固刑』から
『拘禁刑』に一本化されました。受刑者を『懲らしめる』のではなく、『更生』させようと社会が変化する中、熊本刑務所では10日出所者の就労支援を目的としたある取り組みが行われました。
【法務省 コレワーク九州 島本 拓弥 事務官】
「受刑者が出所したが、1年もせず(刑務所に)帰ってきた。『働く場所も住む場所もないので窃盗をした。だから(刑務所に)入ってきた』と話を聞いた」
熊本刑務所で行われたスタディツアー。
これは、出所者の就労支援に取り組む九州矯正管区コレワーク九州などが主催したものです。
現在、363人が収容されている熊本刑務所は、殺人などの重大犯罪の受刑者が
全体の7割近くを占め、平均年齢は57・7歳と高齢化が進んでいます。
そして、6月から『拘禁刑』が適用されたように、受刑者に対して『懲らしめる』のではなく、『更生』させようと社会も変化しています。
10日の取り組みは、再犯を防ぐ上で重要となる出所者の就労支援をとしていて、
出所者の雇用を検討している県内の事業者など、約20人が参加。
実際に刑務所を見学し、受刑者の現在の生活を目で確かめた参加者は、就労支援の意義について学びを深めました。
【カオサポート博多 中溝 茂寿 代表】
「刑務所出所者が本当に〈真面目に頑張ろう〉、〈社会に溶け込もう〉、〈社会でやり直そう〉と思っていたらこれはすごい人材、力になると思う」
【福岡から参加】
「人の居場所は本当に大事だと思うので、お金や住む所といった生活の基盤が大切だときょうは非常に勉強になった」
この就労支援の取り組みは、今後、熊本でも広がりを見せそうです。
【熊本から参加】
「(就労支援を行う)『カオサポート熊本』を取り組む予定なので参加した。再犯を防ぐためには住居と仕事をある程度うちの方で提供できれば1人でも2人でも再犯が減るだろうと」
【カオサポート博多 中溝 茂寿 代表】
「(就労支援は)加害者を守るためではない。加害者が第二、第三の被害を出さないために正しい道に向けてあげたいと。誰かが手を差し伸べないと明るい社会にはならないので、(出所者が)襟を正して社会で生活できるように頑張る」