地震関連の補助金を巡り、宮城県職員への口利きの見返りに水産加工会社の当時の社長から現金を受け取った、あっせん利得処罰法違反の罪に問われた元県議会議員に対し、仙台地方裁判所は10日、懲役2年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。
開廷の約30分前、弁護士とともに裁判所を訪れた元県議会議員の仁田和廣被告。
記者「仁田さん一言いただけますか?」
仁田和廣被告「…(無言)」
記者の質問には無言を貫きました。
判決によりますと、元県議会議員の仁田和廣被告は2021年4月から2022年1月にかけ、福島県沖地震で被害を受けた塩釜市の水産加工会社の当時の社長から、申請した通りの補助金が交付されるよう県職員に働きかけた見返りとして、現金50万円を受け取ったとされています。
これまでの裁判で弁護側は「現金はお礼として受け取った政治献金で、報酬ではない」と無罪を主張していました。
10日、仙台地裁で開かれた判決公判で、須田雄一裁判長は「議員の権限に基づく影響力を行使して、県職員に強引かつ執拗な働きかけを行い、その対価を受け取った」と指摘。その上で「公職にある者の政治活動の廉潔性及びこれに対する県民の信頼を害するものである」などとし、懲役2年の求刑に対し、懲役2年・執行猶予3年(追徴金50万円)の判決を言い渡しました。
判決言い渡しの際、何度も首をかしげて不服そうな態度を示した仁田被告。
弁護側は「被告と相談して控訴するか検討する」としています。