この週末から関東などで始まった随意契約で売り渡された備蓄米の販売。
列島各地で“備蓄米フィーバー”が巻き起こっています。

2日は関西方面でも備蓄米の販売が開始。
大阪市にある流通大手のイオンでは2日午前7時半、備蓄米の購入を求めて、すでに600人近い人たちが並んでいました。

先頭に並んでいる男性は自転車で来た徹夜組。

一番先頭に並んだ男性は「昨日の10時から並んでおります。店は11時まで開いてるもんで、10時に中に入って物を買って、それからここに並んでおります」と話します。

そして、待ちに待った開店の時間。
こちらの店では、1家族1点限りで5kgの備蓄米を税込み2138円で販売しました。

先頭の男性も無事に米を手にしていました。
先頭に並んだ人は「やっぱり1番、なんでも1番がええ。オリンピックなんでも1位、2位はあかんねん」と話しました。

同じく2日から備蓄米の販売が始まった愛知・名古屋でも大行列。

備蓄米を買い求める客で先が見えないほど長い列ができていた「イオン熱田店」では、4200袋の備蓄米を午前中で完売したということです。

購入者は「この備蓄米でカレーにしようと思って。お昼にすぐ炊いてみようかなと思ってるんですね。うれしいですね本当に。小泉大臣のおかげで。うれしいです」と話しました。

就任からわずか10日余りで2000円台の備蓄米を店頭に並べた小泉農水相。

1日、競馬のG1レース「日本ダービー」の表彰式に参加した際には、観客席から「お米~」という声が飛ぶ場面も。

小泉大臣はこの声に自身のSNSで「『コメー』のご声援ありがとうございました。コメ対策もちろん頑張ります」とコメント。

さらに東京・外苑前では、飲食店の壁に小泉大臣の顔がでかでかと描かれていました。
よく見ると、口の横には米粒も。

店主は「この絵には一切、小泉さんを支持するとも、支持しないとも一切言ってなくて。でもなんかお米だけついてて可愛いよね、面白いよね。だからそういう政治の見方があってもいいんじゃないかなと」と話します。

一方、2日の国会で小泉大臣は、野党から米の価格高騰などについて、「これまでの農業政策の失策ではないか」と追及を受けました。

立憲民主党・石垣のりこ議員:
そもそも本当に足りているのかというところに疑義を生じております。生産の量の問題、価格の問題も含めて、あまりにも現場に任せすぎた、責任を押し付けすぎた。

小泉農水相:
ご指摘様々あることは受け止めたいと思います。その上で今やろうとしていることは、水田政策のあり方を令和9年度以降に向けて大きく転換をしていこうと。

小泉大臣は減反政策の在り方などについて、与野党の垣根を越えて議論していきたいと強調。

また石破首相は、米の安定供給に関する関係閣僚会議を立ち上げると表明しました。

こうした中、自民党の幹部が2022年産の古古米を試食。
出席したのは森山幹事長、小野寺政調会長、鈴木総務会長らです。

自民党・小野寺政調会長:
おいしいですね。新米と同じような感じがする。

試食後、小野寺政調会長は、減反など米の政策について「主食用米に対してこれだけ不足感があるということであれば、政府としても(見直しを)検討していくことになるのかなと。しっかり政策の見直しをしてもらいたい」と述べました。

備蓄米の店頭販売が始まり、新たな局面を迎えた“令和の米騒動”。
この週末、備蓄米をめぐって元農水大臣から小泉大臣に対してこんな発言が。

野村哲朗元農水相:
自分で決めて自分で発表してしまう、そういう大臣ですから。やっぱりルールというのを覚えていただかなきゃいかんなと。

小泉大臣に対して苦言を呈したのは、岸田政権で農水相を務めた野村議員。
備蓄米の随意契約を自民党の農林部会に諮らず決めてしまったとチクリ。

これに対し1日、小泉大臣が反論。

小泉農水相:
私農林部会長でしたので、ルールは存じ上げているつもりです。今回緊急事態ですので、じっくり議論をいただいて、その上じゃないと動けないと言ったらこの結果は出せません。私は大臣の決めるべきことだと思いますので、私はこれがルールだと思います。

さらに野村氏は5月31日、「私も(米は)買ったことはありません。女房がいつも買ってますから。たくちゃん(江藤前農水相)もやっぱりそういう言い方をしていけばよかったんでしょうけれどもね」と発言。

さらに米の味についての発言も。
3年ほど前に、備蓄米やアメリカ産のカルローズ米などの食べ比べをしたといいます。

野村哲朗元農水相:
備蓄米と新米とアメリカのカリフォル米と入れて食べたんですが、いくら古古米と言ったって炊きたてはやっぱりおいしいんです。

一方、銘柄米に比べ安く買うことができるカルローズ米については…。

野村哲郎元農水相:
一番まずかったのがカリフォルニア(カルローズ)米でした。

この一連の発言について、FNNは野村氏を電話で直撃しました。

まず、ルールを覚えてという発言について野村氏は「小泉さんが悪いことしたと思っていませんよ、小泉さんはスピード感はあるし。ただそれをやっぱりコンセンサスを得ながらやって、進めてやっていただきたかったなという思いがあった」と話しました。

鹿児島県出身の野村氏。
離島などの地方にも備蓄米が届くのかなどといった不安を解消するため、党内の部会で質問をする機会があってもよかったのではないかと思いを語りました。

また、江藤前大臣をかばったような発言については、「いっぱいもらうから俺は米なんか買わなくて済むんだということじゃなくて、女房が買いますから、国会議員の中でもそうだと思うんですよ」と話し、改めて「家族が買うため自身で買ったことはない」と説明。
さらに、「カルローズ米はまずかった」という発言については、4年ほど前のことだとして「今は分からない」と話しました。

野村氏は「その当時食べたときには、みんな答えは一緒でしたから。カリフォルニア米だこれはと。いや今のカリフォルニア米はおいしくなっているんだぞと言われれば、それまでですけどね」と話しています。

こうした中、備蓄米放出に疑問を呈したのは、復興副大臣を務める鈴木憲和衆院議員。

地元・山形での会合で、優先すべきは平等な物価高対策で、備蓄米の放出は平等さが欠けているとしました。