秋田県北秋田市の太平湖は、毎年この時期に多くの観光客が遊覧船に乗り、湖と周囲の山々を楽しんでいますが、30日は人の姿がありません。船着き場の近くで土砂崩れが確認され、船が運航できなくなっています。初夏の観光シーズンの誘客に影響が出そうです。
緑が青々と生い茂った山々に囲まれている北秋田市の森吉山自然公園にある太平湖。湖では毎年この時期に遊覧船の運航を始めます。船からは木々の葉やまだ雪が残る森吉山を眺めることができます。
30日は運航開始に伴う安全祈願祭など湖水開きが行われるはずでした。ところが、人の姿はなく静まり返っていました。
観光シーズンを前に、26日に北秋田市が船着き場の上流で緑と力強く流れる滝が壮大な景色をつくり上げる小又峡の遊歩道を点検したところ、約30メートルにわたり土砂崩れが確認されました。さらに木製の橋も崩落。安全が確保できないため、湖水開きは急きょ中止になりました。
遊覧船を管理する「ぶなの郷あきた」の間杉政明社長は「非常に残念。太平湖周辺ではグリーンシャワーを浴びられる時期だが、運航ができなくなるのは非常につらい」と話し、初夏の書き入れ時を前に頭を悩ませています。
さらに、2025年度から個人客の誘客を図るため、これまでの大型の遊覧船から小型の船に切り替えて運航されることが決まっていて、30日にお披露目される予定でしたが延期になりました。
ぶなの郷あきた・間杉政明社長:
「一番大事な点は安全。船の安全運航はもとより、行き先の安全も含めた運航を目指していきたい」
6月中には運航を始めたいと意気込みますが、崩落した橋の先の状況が分からず、橋や土砂崩れが復旧したとしても安全が確認されるまでは時間がかかりそうです。
観光シーズンに大打撃。早くにぎわいを取り戻したいと関係者は対応に追われています。