【原竹】
「佐賀市のゆめタウンで新しいサーモンのブランドが販売されます。それがこちらです。SAGAアクポニサーモン。佐賀市高木瀬町で育ったサーモンとなっています」
【お客さん】
「高木瀬で養殖してるって聞いてえーって。あそこのハウスのところで?って思って」
【お客さん】
「言われていた通りに臭みもないというところで、非常に食べやすかった」
試食をした人からも好評だったこのサーモン、実は環境負荷を減らす最近注目の手法で作られているんです。
佐賀市清掃工場の隣にある、ビニールハウス。
ここで、東京に本社を置く建設業の熊谷組が新事業としてサーモンの養殖を行っています。
【原竹】
「こちらのサーモンの養殖で出たフンなどを含んだ水は、あちらのミントの水耕栽培に使われ、ろ過、消毒を経たあと、再びきれいな水となっていけすに戻ってきます。」
水産養殖と水耕栽培を組み合わせた『アクアポニックス』という手法で、養殖場ではミントの水耕栽培と組み合わせて水を循環させることで地下水の使用量を10分の1程度まで抑えることができます。
さらに、熊谷組は藻類の開発も手がけていて、佐賀市清掃工場でゴミを燃やして出た二酸化炭素を、独自開発した藻類の培養に使用しています。
【熊谷組 藤井亮さん】
「藻類を乾燥させたものを餌にサプリメント的に混ぜ込んで、食べさせることにより、成長促進とかですね、身体を強くするような効果を狙っております。」
陸上での完全養殖のため、寄生虫のリスクも低いという「アクポニサーモン」販売会は6月1日まで行われるほか、6月をめどに佐賀市のふるさと納税の返礼品にもなるということです。
【藤井さん】
「佐賀市高木瀬の天然の地下水を使っておいしく安全に育てたサーモンをぜひ地元の方々だけじゃなくて幅広い皆さんにご賞味いただければと思います。」
この試験販売は佐賀市の高志館高校も授業の一貫として水耕栽培に協力していて、午前中は生徒も販売の手伝いを行うということです。水資源や二酸化炭素の有効活用と教育にも役立てられるというこの養殖事業ですが生産量の目標はないそうで、今後は全国に事業を展開したいと話していました。