コメの品質低下を招くカメムシですが、今年、富山県の調査では例年の7倍確認されています。
その発生を抑えようと県や農協が道路や鉄道の管理者にカメムシのすみかとなる雑草の草刈りを要請しました。
草刈りの要請は道路や河川、鉄道などを管理する6つの団体や企業に行われ、県の担当者が要望書を手渡しました。
カメムシは成長途中の稲につくとモミから養分を吸い取り、黒く変色した斑点米の原因となるとされていて、コメの等級格下げに繋がります。
県農業研究所が今月19日から21日に行った調査では、田んぼの畔など県内45の地点で平均21.3匹のカメムシが確認されました。
これは、例年のおよそ7倍で、過去10年で最も多く確認された去年と比べてもおよそ3倍です。
暖冬で、積雪の時期が短かったことが要因ということです。
富山市にある大平園芸の田んぼでは、農薬の使用が制限される特別栽培米のアルギット米が栽培されていて、カメムシ対策に神経をとがらせています。
*大平園芸 大平真也代表取締役社長
「定期的に草刈りをしてカメムシの個体の数を減らす作業をしている。(カメムシは)中の汁を吸う。黒いシミのようなものが付く。いわゆる斑点米が増える。コメの価格に影響はないが、我々の手取りとして収穫量が減ると(収入に)影響がある」
県や農協は稲の穂が出る7月下旬ごろまでにカメムシのすみかとなる草を刈り取るよう呼びかけています。