この時期、旬を迎える果物が期待と不安に揺れています。
神奈川・横浜市内にあるパフェ専門店「ル・パルフェ馬車道」。
大人気の定番メニューは、マスクメロンのパフェだといいます。
使用しているマスクメロンは静岡県産です。
さまざまなものが値上がりする中で、メロンの仕入れ値は1玉で200円から300円程度下がったといいます。
ル・パルフェ馬車道 須藤兼之オーナー:
茨城や千葉・熊本などの産地が豊作と聞いているので、その流れで静岡も若干下がってる。今のこの時期に値段が下がるということはないので、多少下がるとありがたい。
一方で、もう1つの人気パフェにはある不安材料が浮上しています。
真っ赤に染まった山形県産のサクランボがきらめくパフェは、この時期一番人気の期間限定メニューです。
訪れた人は「この時期はサクランボを目当てにこのお店に来てる」「甘いし濃厚だし、おいしい」と話していました。
そのサクランボを巡る心配ごとが、収穫量の減少です。
ル・パルフェ馬車道 須藤兼之オーナー:
一説によると、半分くらい収穫量が減るんじゃないかと言われてる。本当に手に入らなくなれば、今シーズンはその時点で終了せざるを得ないかも。
2025年のサクランボに、一体何が起きているのでしょうか。
29日に訪ねたのは、福島市内で30年ほどサクランボなどを育てている農家。
まるせい果樹園の代表取締役・佐藤清一さんは、カメラの前で「半分近くまで減るのかなとちょうど花が咲いて花粉交配する時期に天候があまり良くなくて」と不安を口にしました。
異なる品種の花粉をつけることで実がなるサクランボ。
しかし、受粉の時期に強風が吹いたことで実のなり方にばらつきが発生し、量が減っているというのです。
サクランボの生産量日本一の山形県でも同じような現象が起きていて、先日の作柄調査では結果の公表開始以来、2度目の最低評価となりました。
加えて山形県はサクランボの表面に褐色の斑点ができ、やがてカビが生えて腐っていく病気「灰星病」が増加。
県内では21年ぶりとなる注意報が発表されました。
サクランボ狩りができる県内の果樹園では、実の数を確保するため、初めて完全予約制をとることにしたといいます。
高橋フルーツランド・高橋真也社長:
断るのも心苦しい。山形県の1番の果物だから。
サクランボの収穫は早くて6月中旬から最盛期を迎えることもあり、県は出荷に向け、生産者への指導を行っています。