札幌市のきのこ栽培・生産業「きのこランド」が札幌地裁から破産手続き開始の決定を受けたことが分かりました。民間の信用調査会社、東京商工リサーチによりますと、負債総額は約8億6000万円です。

 「きのこランド」が設立されたのは2004年3月。2003年、当時の生田原町(現・遠軽町)で倒産した同業他社「倉膳」の工場などを継承し、2つの工場でエノキタケ、エリンギ、ブナシメジなどの生産を始めました。

 ただ、グループ企業(建設業)から派遣された従業員が多く、きのこ生産のノウハウ不足で事業は軌道に乗りませんでした。

 2006年にきのこの菌の仕入れ先から指導者を招いて業績回復に着手。試行錯誤の結果、2010年3月期にピークを迎え、売上高は約2億4000万円に達しました。

 一方で、事業の採算は取れず、赤字が続き、売上高も2015年3月期にはピークの半分以下の約7900万円まで落ち込んでいました。

 その後も採算割れの状態が続き、2018年3月に従業員を解雇して事業を停止していました。

 2025年1月に札幌に本社を移転。事業の再開を目指していましたがめどが立たず、5月20日に札幌地裁から破産手続き開始の決定を受けました。

北海道文化放送
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