大統領選の投開票が6日後に迫った韓国で、与党支持者の牧師が軍隊式の体罰を信者に強いる動画を投稿し、波紋が広がっています。

サラン第一教会・全光焄(チョン・グァンフン)牧師:
今が戦争状態と知らないのか。さぁ頭を打ちなさい、始め。動くな。また立ち上がって。動作が遅い。もう1回。

多くの信者が見守る中、地域の責任者を並ばせたうえ、頭を床に打ち付けるよう命じる赤いネクタイ姿の人物。
韓国で“極右の牧師”として知られる全牧師です。

命じられた十数名の男性は両手を後ろに回し、自ら頭を床に打ち付けます。

彼らが体罰を受けた理由は、与党支持者の集会に目標としていた参加者数を動員できなかったからだといいます。

サラン第一教会・全牧師:
お前たちのせいで国が滅びるんだよ。国が滅びるんだ。

そうしたうえで、全牧師は大統領選で与党候補の金文洙(キム・ムンス)氏を支援する理由について「神のお告げだ」と話しました。

サラン第一教会・全牧師:
20年前、私が祈りを捧げていると“彼を次の指導者にしなさい”と。

しかし、大統領選では現在、全牧師が支持する金氏は劣勢。
最新の世論調査では、野党の李在明(イ・ジェミョン)氏に10ポイント以上の差をつけられています。

こうした焦りが体罰の背景にあるのでしょうか。
韓国政界では“影の支配者”ともいわれている全牧師。

5年前、全牧師は教会で、新型コロナのクラスターが発生していた当時、演説に使ったマイクを使い回したことで大きな批判を浴びました。

そして今回、信者に対する軍隊式体罰で再び批判の的となった全牧師。

大きな波紋が広がる中、教会側がコメントし、体罰行為について「結束を高めるための愉快な演出だった」と釈明しました。

フジテレビ
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国際取材部
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